館内も見学可能!モデル二スモ建築の新たな名所、サンパウ病院
モデル二スモ建築と言えばサグラダファミリアなどのアントニ・ガウディが有名ですが、バルセロナにはガウディ以外のモデル二スモ建築もたくさんあります。どれも、19世紀終わりから20世紀の初めにかけて当時のブルジョア階級が、冨を見せつけるために競い合って建てた建築物とあり、装飾が華やかであっと目を引く建築物ばかり。今回はなかでも珍しいモデル二スモ建築の病院、サンパウ病院をご紹介します。サンパウ病院は数年間もの間、改装工事のためガイドツアーでしか見学ができなかったのですが、無事に改装が終了し3月の終わりから一般に公開されています。
装飾美が見所!モンタネールの世界
サンパウ病院の設計を手掛けたのは、リュイス・ドメネク・イ・モンタネール。アントニ・ガウディと同じ時期に同じモデル二スモ建築の建築家として活躍し、同時に政治家としても活動しました。他の有名な作品には、カタルーニャ音楽堂、現在は1階にブランドショップ「ロエベ」が入る邸宅、カサ・リェオ・モレナなどがあります。優れた彫刻家や手工芸家たちとコラボして装飾に重点を置いたのがモンタネールの特徴です。元病院が世界遺産に
ではサンパウ病院の魅力をざっとご紹介します。サグラダファミリアを起点にした散歩道アベニーダ・ガウディを進んでいくと、高い時計台を真ん中に両腕を広げたような構造の温かみのあるレンガ色の建物が見えてきます。これがサンパウ病院です。正式名称はサンタ・クレウ・イ・サンパウ病院。この病院の起源はなんと1401年まで遡ります。既存の6つの病院がサンタ・クレウ病院という1つの病院にまとめられました。19世紀の終わりに街が発展すると共に病院もさらに拡大する必要があり、銀行家パウ・ジルの寄付により、増築工事が行われました。このとき設計を担当したのがモンタネールで、1930年に完成。その後2009年に新しい建物に移転するまで病院として機能していたのです。サンパウ病院はカラフルなタイルやステンドガラス、モザイク画などで飾られた6つの建築物から成ります。メインは見学の1番最初に訪れる正面の建物。ここにはサンパウ病院の建築物としての細部が見られるビデオなどが見られる場所や、院内の各棟を説明したパネルなどがあります。入り口の美しいアーチや廊下の天井に施された絵付きタイル、小さな破砕タイルを円状に並べたアラブ風の天井など、細部に注目したいところです。棟と棟は地下の通路でも繋がっていたとあり、見学のコースでは正面の建物から地下の廊下を通って中庭に出ることになっています。ひんやり薄暗い地下が唯一病院らしい部分と言えるかもしれません。
その他現在もオフィスとして利用されている館内の一部や、サンパウ病院の修復工事の様子や建物の象徴的なモザイク画などを説明したパネルがある棟などが内部も見学できます。各棟の真ん中には大きな広場があり、のんびりとくつろげるスペースも。モンタネールは、機能的でモダンだけれど、人間味があり、さらに美的な空間をコンセプトに設計したそう。サンパウ病院の素晴らしさは、外観からはあまり分からないので、是非内部を見学して、病気の人々も癒されたに違いない美しいスペースに浸ってみましょう。
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■Hospital de Sant Pau(サンパウ病院)
住所:Sant Antoni Maria Claret167 Barcelona
TEL:(34)93 268 2444
開館時間:11月~3月10:00~16:30、4月~10月~18:30、10:00~14:30(日、祝日)
閉館日:12月25、26日、1月1、6日
入館料:13ユーロ