手軽でおいしく、ヘルシーな「昆布水」に注目!
日本のだしは低カロリー・低脂肪。でもちゃんと毎日だしをひいて料理を作っている人は、案外少ないかもしれません。
ガイドも様々な食の勉強会に参加し、昆布だしのひき方は、60℃で約1時間煮ると、理想的なよい旨味がだせる、ということを知りました。
それ以来何度もこの方法を試みますが、煮るのは30分程度になってしまいます。というのは、理想的なだしをひくだけの時間やお鍋があればよいのですが、日常の家庭では、すぐに調理したい時には、昆布だしだけに時間をかけられません。また、家庭用の鍋では、長い時間煮れば蒸発してしまいます。
理想の方法やレシピはわかっても、プロと同じようには、なかなかできないものです。とはいえ、ガイドは「手間は抜いても質は抜かない良い方法はないかしら?」と考え、前日から昆布を漬けておいたり、たくさんだしをとって小分けして冷凍したり……。試行錯誤する中で出会ったのが「昆布水」でした。
数年前から有名なイタリアンのシェフも、「昆布水」を使っているという話を耳にしていましたが、今、食のカテゴリを問わず、その「UMAMI」に多くのプロが注目しています。しかもプロでなくても手軽に誰でも作れて、便利に使え、日々の健康的な食事作りにも役立つという「昆布水」は優れもののおだしです。
健康分野で注目される昆布の魅力
昆布水、誰でも手軽に使えて、どんな料理も使えます。
(画像提供/天満大阪昆布)
欧米のフォンなどと違って、日本のだしは低カロリーで低脂肪。さらに昆布は海藻ですから、様々なビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれています。
特に食物繊維は、アルギン酸やフコイダンなどの水溶性食物繊維が多く、体内の余分な糖質や脂質をからめとって体外に排出したり、有害物質の吸収を抑え、さらに食物繊維は、腸内環境を改善し便通をよくすると考えられています。
またDHAやEPAなどのω-3系不飽和脂肪酸が多く含まれています。これらの脂肪酸は、血流を促し生活習慣病の予防や、脳活性等に注目されています。褐色の色素成分フコキサンチンは、脂肪燃焼を促進する作用がある(動物実験レベル)という報告もあります。
他にも、血糖値の上昇を抑える成分が含まれる、グルタミン酸等の旨味で減塩に役立つこと等も期待され、今後の研究にますます期待が寄せられています。
参考/『昆布水のごちそうレシピ12ヵ月』(喜多條 清光執筆)の「昆布が健康にいい10の理由」(東京海洋大学特認教授 矢澤一良氏監修)
過去の記事でも取り上げた、昆布の期待される機能性成分の記事もご参考にお読みください。
・とろろ昆布で、中性脂肪の上昇を抑制(食と健康)
・風邪・インフルエンザに注目されるネバネバ成分(食と健康)
次ページでは、昆布水の作り方を解説します。