間違いやすいフランス語
活用もしっかりおさえておこう!
基本形として覚えておきたい2つの動詞:porterとmener
まずは、poter(ポルテ)とmener(ムネ)という2つの動詞をチェックしておきましょう。poterは「手に持っている」という意味を基本に持つ動詞で、「身につけている」、「運ぶ」などの意味でも使用します。Je porte cette lettre à la poste. (ジュ ポルト セット レットル ア ラ ポスト/私はこの手紙を郵便局に持って行きます)のように目的語にあたる名詞は基本的にはモノで、通常は地面との接触がない状態を表します。一方menerは、porterより使用頻度は落ちますが、人や動物など生物を移動させるときに使われる動詞です。通常は地面との接触がある状態で用いる動詞で、Je mène mon fils à l'école. (ジュ メヌ モン フィス ア レコール/私は息子を学校に連れて行く)という風に使用します。
ただし、赤ちゃんを(抱きかかえて)医者へ連れて行くなどという場合にはporter un bébé chez le docteur(ポルテ アン ベベ シェ ル ドクトゥール)とporterを用い、車をガレージに入れる(mener sa voiture au garage)などという場合にはmenerを用いますので、必ずしも100%モノか生物かで使い分けるわけではありません。これらの例の場合は、地面との接触の有無での使い分けと理解できるでしょう。まずは、あまり細かい部分にとらわれることなく、この2つの動詞のだいたいのイメージをつかんでください。
別の場所への移動を表す接頭語 en
では次にpréfixe(プレフィクス/接頭語)に注目してみましょう。préfixeは単語の最初の部分に付いて、元の言葉に派生的な意味を付与する要素で、ボキャブラリー増加のための心強い助っ人でもあります。英語の単語を覚える際にお世話になった方も多いと思いのではないでしょうか。 一つの接頭語はいくつもの意味を持っていることが多いのですが、フランス語の接頭語en-(アン)は動きを表す動詞と組み合わされると、「現在いる場所から遠ざかる」という意味で一般的に用いられます。またen-は、後続の動詞がp,b,mで始まる場合にはem-と変化しますが同じ意味です。例えば前ページの例でみたporterやmenerと言う動詞と組み合わせると、「持ち運ぶ」という意味に「現時点から遠ざかる」というニュアンスが加わりますので、日本語では一般に「行く」という訳語が使われることが多く、emporter(アンポルテ /持って行く), emmener(アンムネ/連れて行く)となります。ファーストフード店で、「店内お召し上がりですか?テイクアウトですか?」という場合に「Sur place ou à emporter ?(スュール プラス ウ ア アンポルテ?)」と聞かれますので、このフレーズで覚えておくのもいいですね。
逆方向は接頭語a-と覚えよう
次に接頭語a-ですが、これはen-とは逆方向で「目的地・到着地点を強調し、そこから離れる」というニュアンスが加わることになります。先ほどのporterとmenerにくっつけるとapporter(アポルテ/持って来る)、ammener(アムネ/連れて来る)という訳になることが一般的です。emporterとapporter,emmenerとammenerは発音が近いわりには意味は正反対、しかも日本語にしてしまうと「行く」と「来る」の区別がややこしく混乱してしまうことが多いので、実際はこうした原則を頭に入れつつ代表的な文例を覚えておくのがよいでしょう。
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