2:上司自身が、その仕事の重要性を本気で語れるか

第2に、その仕事が組織の「大切なこと」と結びつく重要な仕事だと、上司であるあなた自身が本気で感じ、本気で語っているかを振り返ってみましょう。

上司自身が「つまんない仕事だけど、とりあえず若手の仕事だから」という意識でその仕事をやらせていたら、部下にも必ず伝わってしまいます。逆にその仕事の経験なくしては、組織や個人の成果に影響するという危機感を強く持っていれば、その重要性に熱弁を振るうことができます。結果、部下のモチベーションが高まるのです。

スポーツでも、「走る」ことはつまらない練習の1つ。「ナメているかもしれないけど、これで勝負が決まるんだから、とにかく走ろう」と、実際に走り抜いて制した過去の試合をビデオで見せ、その重要性を説いたものです。

「今の大口顧客のA社も、最初は1本の電話からスタートしたんだ」といったエピソードを語っているか。そこがポイントになります。


3:その仕事が重要だと思えるチャンスを部下に与えられるか

第3に、その仕事が本当に自分や組織にとって重要だと思える機会がなければ、「意味ないじゃん」ということになってしまいます。その仕事に継続して取り組む意識は、どんどん薄れていきます。

電話をきっかけに、小さな受注をした。でも、それは部署の目標からしてみれば小さな数字……。大きな仕事をしている先輩がカッコよく映り、自分の仕事は影響力のない小さな仕事に見えます。そんなとき、「この顧客をどう大きく育てていくか」と、部下の小さな成果に上司がしっかり向き合えば、部下は自分の仕事の意義を感じることができるでしょう。


3つの条件をクリアしないなら、その仕事はやめてしまおう

3つのことを考えてみてどうでしょうか? あなた自身、腹に落ちるのであれば、その仕事の重要性に熱弁をふるいましょう。

逆に、「どう考えても組織の大切なことと結びついていない」「重要性を実感させる瞬間をつくることができない」のであれば、その仕事は組織にとって(かつては必要だったとしても、今はもう)必要ではないこと、あるいはアウトソースすべきことなのかもしれません。

企業の情報管理が厳しくなり、電話での新規開拓は商売につながらなくなっている。小さな新規顧客を育てている余裕がない。こんな状況であれば、「今までずっと若手がやってきたから」といって、続ける意味はありません。

組織の「大切なこと」と、部下に任せるひとつひとつの仕事の結びつきを考えることは、仕事を必要/不要に整理する機会にもなります。みんなが必要な仕事だけに集中したほうが、部下と部署全体の成果は確実に上がりますよね。


部下に任せる仕事と任せ方に、本気で知恵をしぼろう

まとめます。どんな仕事でも、組織にとって「大切なこと」と結びつけて部下に任せることが重要です。その仕事が部署や部下の成果に影響するならば、「つまらない仕事」は「重要な仕事」に変わり、部下は真剣に仕事に取り組みます。

もし、「大切なこと」との結びつきを上司自身が感じられないのであれば、それは部下にとって不要な仕事です。部下の育成のためにも、部下の目線に立って彼らに任せる仕事、仕事の任せ方に知恵をしぼってこそ、フォロワーシップ型のリーダーなのです。



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