キャリアプラン

プロフェッショナル・コネクター 勝屋久さん

2014年、新春キャリアインタビュー第3弾として、サラリーマン生活を経て、今や新しいプロフェッショナル・コネクターという職を創造し、大活躍されている勝屋久さんにキャリアインタビューをいたしました。奈落の底に落とされた時、自分自身と真剣に向き合うことができるかどうかが今回のテーマです。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

1月中旬、恵比寿ガーデンプレイス内の「ザ・クラブ・アット・エビスガーデン」にて、キャリアに関するインタビューを行いました。今回のお相手は以前インタビューをした歴史小説家の伊東潤氏と同様、IBM時代の同僚で、現在、「プロフェッショナル・コネクター」という新しい職を創造して、大成功を収めている勝屋久氏です。

ガイド:勝屋さん、ご無沙汰しております。IBMの横浜営業所時代以来、四半世紀ぶりの再会でしょうか?数年前よりWEB媒体等、色々なところで勝屋さんの記事を拝見しております。キャリアの軌跡をお教えいただけませんか?

この満面の笑み、分けてもらいたいですね。

この満面の笑み、分けてもらいたいですね。

勝屋氏:横浜の営業時代、お互いきつかったよねぇ、あの不条理な世界は。営業としては大きな花は咲かなかった。どうしても客と仲良くなってしまい、肝心な売る部分が欠けていました。(笑)

ガイド:確かに。(笑)勝屋さんの人間性というか、当時から絶対に敵を作らない、誰とでも仲良くなってしまうのは魅力です。

勝屋氏:入社時から所謂サラリーマンで上昇志向もありました。世間一般よりもいい給料でいいポジションでという薄っぺらな考えです。会社や営業という仕事に対しても、より深く考えていなかった。

30代の頃、当時の上司との面談である事実を言い渡されました。その面談の数年前、上司との軋轢が生じ悪い評価だったのです。当時の上司から、会社の規定ではこの先上には昇進できないというコメントでした。

正に、お先真っ暗です。今まで信じていたものが失われ、何もかも蛻の殻のような状態がしばらく続きました。当時の状況を見かねたのでしょうか、その後、社長になる方から新しいポジションを作るからやってみないかという誘いです。その船に乗ってみることにしました。

ガイド:そこから新しい航路がありそうですね。

勝屋氏:そうなんです。ベンチャーキャピタルの仕事です。日本IBMとしては未知の分野です。兎に角、社内人脈や色々な伝手を使い、東奔西走して様々なベンチャー経営者に会いました。

ここで衝撃を受けてしまったのです。大企業と人種が違い、皆さん、志を持っていて、きらきら輝いているのです。全然違う世界でした。或る時、彼らと対等に付き合うには普通のサラリーマンでは折り合いがつかず、会社という肩書きを抜きにして、何か面白いものを持っているかどうかが問われるということに気づきました。

だんだん水を得た魚のように自分自身も生き生きとしてきました。どうせこれ以上の昇進がないのだから、良い意味で開き直ることができました。自由に泳ぎまわりました。

ガイド:ITベンチャー企業にかなり投資をされたのでしょうか?

勝屋氏:僕が所属していたIBM Venture Capital Groupはベンチャーへの直接投資はせずに、世界各国のベンチャーキャピタル(以下VC)と良好な関係をつくり、VCの投資先に対し、将来のアライアンス先や買収先になるかを検討実行する部門でした。

日本のVC業界の著名人と仲良くさせていただき、幾つかの実績があがりました。そして、IBMを卒業する まで、IBM Venture Capital Groupパートナー日本代表という肩書きで活動していました。米国本社のコーポレートストラテジー部門直下の組織です。所詮、部下がいないエキスパート職なのですが。(笑)
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