ガイド:新田さん、まず始めにキャリアの変遷を伺えればと思います。
子育て等、身近な視点を大切にされている新田さん、常に問題意識とキャリア開発を結びつけている
小さい会社で育児休業も育児短時間勤務も利用実績がなかったので、まず時間制約のある私をどういう仕事に就かせたらよいのか会社が戸惑っていました。
いっぽう私は保育園のことで頭がいっぱいで、仕事に身が入らず、4時になると職場から逃げるように駆け出していたのです。そんな働き方をしていたために、職場では人間関係が悪くなり、私自身も中途半端な自分に悩みました。
ガイド:この頃から社労士(社会保険労務士)という仕事に結びついていくのでしょうか?
新田氏:出産前は残業も出張も問題なくできたのですが、育児をしているとそうもいきません。自分のキャリアがどうなるのかが見えず、悶々としていました。「そんなとき、社労士がいいのでは」とアドバイスしてくれる人がいました。資格を取得すれば、比較的自由度の高い仕事に就けるのではと考え、社労士の仕事が何なのかもよく知らないまま、資格取得を目指しました。当時は精神的にもキツイ時期だったので半ば救いのようなものでしたが……(笑)
(その会社に籍を置きながら、夜間半年間、週2回予備校に通ったものの1年目は不合格。会社も辞め、背水の陣で2年目は晴れて合格する)
資格を取得後、まず人事系のアウトソーシング会社へ就職しました。ここでは資格を活かした手続業務等を中心に行いました。長女が保育園から幼稚園に転園した頃です。4年程在籍しました。その後、次女を出産し、1年後に知人の社労士事務所に入りました。
出産や育児を機にキャリアをリセットした私は、仕事と育児の両立に悩む後輩たちに、社労士の立場から応援したいという気持ちをあたためていました。するとある日偶然、厚労省が非常勤職員を募集していることを仕事先で知ったのです。
実は募集を知った日が応募締め切りの前日だったのですが、即座に応募をして、運よく、東京労働局雇用均等室へ非常勤職員として採用されました。そして様々な企業の仕事と育児の両立支援に携わることができました。