キャリアプラン/キャリアプラン事例

つきぬける強さ・テンポスバスターズ森下篤史社長 工夫しちゃい

「工夫しちゃいけない!」。中古厨房用品の買取・販売で新市場を切り開いたテンポスバスターズ・森下篤史社長は、まずは徹底的に行動せよと訴える。

執筆者:角田 正隆


エネルギー出し切ってるか?

森下 篤史 社長
テンポスバスターズ 森下 篤史 社長1947年静岡県生まれ。71年静岡大学教育学部卒業、同年東京電気(現東芝テック)入社。レジスターなどの販売でトップセールスの常連となる。食器洗浄機メーカーへ転職した後、83年共同精工(現キョウドウ)設立、代表取締役社長就任。新規事業立ち上げに何度も失敗した末、97年テンポスバスターズ設立、代表取締役社長就任。2002年12月ジャスダック上場を果たす。参考記事『上司との「正しいケンカの方法」』。著書に『「戦いモード」で会社が変わる』 
前回の「トップセールス列伝 vol.1」で紹介したテンポスバスターズ森下篤史社長は、営業として一段のレベルアップを目指す読者に「自分のエネルギーを全部出し切っているか?」と仕事に向かう姿勢を問う。

この「極限までやる」姿勢が、森下さんのモットーだと言える。

森下さんは、東芝テックを辞めて入社した食器洗浄器メーカーでも抜群の売り上げを稼いだ。しかし、オーナー社長に「会社を乗っ取られる」と恐れられ、追い出されるように独立することになった。

これまでトップセールスを走り続けてきた森下さんですら独立して、「飯が食えるか不安だった」という。どれだけ仕事をすれば、十分稼げるのか分からない中、自分をギリギリまで追い込み、状況を打開することを決意した。


模造紙の使い方

模造紙の概念図
模造紙で自分の行動を評価した 
早速、森下さんは一枚の模造紙を買い込み、1カ月の日付を書いた表を作成した。

・必死に働いた結果、昼食を食べるのを忘れたら○を付け、覚えていたら×を付ける。

・夕方になるのも忘れて働いたら○を付ける。夕方になって「そろそろ帰ろうかな」と思ったら×。

・夜、帰宅するのを忘れたら○、帰ろうと思ったら×を付けた。

3つ「○」が揃ったら「よく働いた1日」としたが、実際○が3つそろったのは「月に2日ぐらい(笑)」だったそうだ。

テンポスバスターズ立ち上げ当初も、森下さんは猛烈に働いた。朝6時から見積りに出かけ、1日中外を走り回り、夜7時になると、会社に1度電話を入れ「もう1件ぐらいアポがないか」と聞いて、さらに夜9時ぐらいにもアポを入れた。

そうやってスケジュールを詰め込むと、お客のところで見積りを終え、大急ぎでトラックで移動しないと、次のアポに間に合わなくなった。余裕がないから食事からすべて、車の中で済ませていたという。

ここまで猛烈にやらなければ、新しいタイプの事業を立ち上げ、数千社に1社といわれる株式上場は、実現できないのではないだろうか。

>森下流は「工夫しちゃいけない」?

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