バレエ作品のバリエーションを紹介
バレエ作品のバリエーション:お姫様系
お姫様系ヴァリエーションの代表格は、『眠れる森の美女』 のオーロラ姫と、『白鳥の湖』 のオデット姫ではないでしょうか? 前者はかわいらしく、後者は優雅。衣装はどれも短いチュチュで、脚の美しさを存分にアピールしています。役柄の年齢設定が低ければかわいい踊りになりますし、年齢設定があいまいなものは優雅になることが多いようです。オーロラ姫は16歳というのはとても有名ですね。若いお姫様です。オデット姫はというと、どこにも資料がありません。ただ、オデット姫のお相手のジークフリード王子が21歳という年齢設定なので、オデット姫は20歳前後ではないかと推測できます。10代はかわいく、20代は優雅……ということでしょうか。
かわいいお姫様系の代表的ヴァリエーションは、フロリナ王女とオーロラ姫 (どちらも眠れる森の美女)。お姫様ではありませんが、金平糖の精 (くるみ割り人形) もかわいいお姫様系と言えますね。
優雅お姫様系の代表的ヴァリエーションは、オデット姫 (白鳥の湖)、森の女王とドルシネア姫 (ドン・キホーテ)。
そのほかにもリラの精 (眠れる森の美女)、ライモンダの夢のヴァリエーション (ライモンダ) などはお姫様系の踊りと言えます。
バレエ作品で踊られるヴァリエーションのキャラクターは大きく分けて 「お姫様」 と 「村娘」 の二つ。この二つのキャラクターを知って、あなたの個性に合ったヴァリエーションを見つけましょう。
テクニック的に簡単なものから徐々に難しくと、ヴァリエーションの階段を上ってみましょう。
・ 「かわいい系お姫様」 では、
フロリナ王女 (眠れる森の美女) → リラの精 (眠れる森の美女) → 金平糖の精 (くるみ割り人形) → オーロラ姫 (眠れる森の美女)
どれもかわいく華やかな印象の踊りです。
・ 「優雅系お姫様」 では、
森の女王 (ドン・キホーテ) → ドルシネア姫 (ドン・キホーテ) → オデット姫 (白鳥の湖)。
どの踊りも優雅で、時に力強く、テクニック的に少し難しい踊りになっています。優雅に踊るのは大変ということでしょうか。
バレエ作品のバリエーション:村娘系
村娘系ヴァリエーションはなんと言っても 「ジゼル」 です。村娘は、長いチュチュとチュチュに付いたエプロン姿が特徴的です。働く娘というイメージですね。元気に飛び回っている踊りが村娘系ヴァリエーション。作品では、「ジゼル」 のほかに 「リーズの結婚」、「ゼンツァーノの花祭り」 などがあげられます。
◎ヴァリエーション攻略法
村娘は作品数が少ないのが難点。
ローザ (ゼンツァーノの花祭り) → リーズ (リーズの結婚) → ぺザント (ジゼル) → ジゼル1幕 (ジゼル)
という順番になると思います。長いチュチュですので、脚を見せたくない人にはお勧めの踊りと言えますね。
その他のバリエーション
妖精系、スパニッシュ系なども有名どころではないでしょうか。妖精で思いつくのはなんと言っても、真っ白なロングチュチュで踊る妖精です。シルフィードと2幕のジゼルが有名です。人間味が一切ない感じで軽やかに宙に浮いています。
スパニッシュ系では、キトリですね。アンダルシアの太陽を思いっきり浴びて元気いっぱいに踊っています。
それ以外にも舞台となる場所によって、お姫様らしくもなく、村娘らしくもなく、妖精らしくもないヴァリエーションがあります。
「ラ・バヤデール」 はインドを舞台にしているので、お姫様の役でありながらクラシックのそれとは少しニュアンスが違います。
「ライモンダ」 はハンガリーを舞台にしています。昔のヨーロッパの方たちにとってハンガリーは、少しオリエンタルな国のようです。ヴァリエーションもオリエンタルな感じです。貴族のお話なので、踊りは気品たっぷりです。
「コッペリア」 の舞台はポーランドの農村。いたずら好きな主人公スワニルダのヴァリエーションはお姫様でもなく村娘でもない不思議な踊りとなっています。
◎お姫様? それとも村娘?
作品の持つ特色、ヴァリエーションのテクニック、役の人物像、それらを考慮して自分に合ったヴァリエーションを探してほしいと思います。
私のお勧めする探し方は、なんと言っても 「好きな曲で踊ること」 です。どんなにテクニックが自分に合っていても、曲が気に入らなければ踊っていて気持ちが良くありませんね。ヴァリエーションの難しいテクニック部分は簡単にするなどして、とにかく好きな曲で踊ってください。あなたの気分が乗れば、見ている観客も幸せになれるはずです。
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