堤が完成し、高松城の水攻めへ
堤が完成し高松城の水攻めがはじまる
小六:「足守川の流れがはやく、土俵を積んでもすぐ流されてしまう。どうしたもんだろう。」
官兵衛:「足守川の水の流れを抑えねばならぬなあ。母里太兵衛なにか知恵はないか。」
官兵衛は家臣団の母里太兵衛にたずねました。
太兵衛:「殿、舟を使ってはいかがですか。」
官兵衛:「舟とはどういうことだ」
太兵衛:「舟に石を積み、川に並べ一斉に底に穴をあけて沈めれば、水の流れを抑えられます。」
官兵衛:「それは妙案だ。小六殿、それでやってみよう。」
小六:「よし、やってみよう。それにしても官兵衛殿は次々と知恵を出す、よいご家来衆をおもちじゃのう。」
官兵衛:「夏の火鉢、ひでりの傘という言葉があり、夏に火鉢はいらなくても冬には必要となる。人を使うにはなにが得意か見極めて、それ相応の仕事をさせるのが一番と考えておるだけじゃ。この戦国時代、皆で知恵を出しあって難局にあたっていかなくてはならぬ。」
堤は工事を開始してからわずか12日という短納期で完成。
ちょうど梅雨に入り、水かさが増し、高松城は孤島状態になってしまいました。後詰にきた毛利輝元、小早川隆景、吉川元春も秀吉が築きあげた湖になすすべもない状況になりました。
しかし、高松城を囲む秀吉陣営へ驚くべき情報がもたらされます。
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