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新国立劇場 小野絢子『白鳥の湖』インタビュー!(5ページ目)

2014年の幕開けを飾る新国立劇場バレエ団公演『白鳥の湖』で、主役を務めるプリンシパルの小野絢子さん。小野さんが同団で白鳥を踊るのは今回で3度目となり、磨きのかかったその演技に大きな期待が寄せられます。ここでは、待望の開幕に先駆け小野さんにインタビュー! 作品と役への想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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小野さんが今まで観た中で最も心に残っている白鳥といえば?

小野>ウリヤーナ・ロパートキナの白鳥。もう、白鳥そのものなんですよね。それでいて、心が見えるというか。白鳥の場面って照明もヒンヤリして音楽も哀しい感じだけど、ロパートキナの白鳥は冷たい雰囲気ではなく、なんだかとても温かい気分になる。『白鳥の湖』に限らず、ロパートキナは大好きです。以前彼女が世界バレエフェスティバルで踊った『瀕死の白鳥』も大好きで。“あ、死んじゃった……”なんて、思い入れたっぷりに観てました(笑)。

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新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』
2012年公演より 撮影:瀬戸秀美


小野さんが目指す白鳥像とは? どんな白鳥をみせたいですか?

小野>オデットの心をしっかり感じてもらえることができたらな、というのはいつも思っています。『白鳥の湖』は、よほど心が見えないとお話が成立しない。例えばストーリーを全く知らないで観に来たとき、“あれ誰?”“今何が起こっているの?”となってしまう危険がある。だけどもし内容を知らなくても、“あ、恋に落ちたんだ”とか、ちゃんと伝えることができたらと……。

もちろん踊り自体を見てもらわなきゃいけないんですけど、できれば“どんな踊りしてたっけ?”って後で思えるような、“踊りがステキだった”よりドラマを楽しんでもらえる舞台にしたい。その作品自体を“何かよくわからないけど良かったな”と感じてもらえるようにしたいと、いつも思っているんです。

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                新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』2012年公演より 撮影:瀬戸秀美



取材後記

新国立劇場バレエ団が誇るスターダンサーとして、数々の演目で主役を務める小野絢子さん。清楚で楚々とした雰囲気に、凛とした佇まい。舞台でみる小野さんのイメージは、まさに白鳥のお姫様・オデットそのもの。とはいえ本人いわく、「“姫”って、自分ではピンとこなくて(笑)」とか。その素顔は、どこまでも謙虚で愛らしく、それでいて実に聡明かつ真摯。ひとつひとつの役に全力で向かう、ひたむきな想いが伝わってきます。そんな彼女が歩んできたバレリーナへの道程とはーー? 次回は、小野さんのダンサーズ・ヒストリーを紹介します!

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