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ダンサーズ・ヒストリー KARAS 佐東利穂子(5ページ目)

1996年に勅使川原三郎氏率いるKARASの一員となり、以降全作品に出演してきた佐東利穂子さん。日本はもちろん海外での活動も多く、世界を股にかけ飛躍を続けています。彼女が歩んできたダンサーへの道程とは――? ここでは、佐東さんのダンサーズ・ヒストリーをご紹介します。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド

 

最古参メンバーとして

勅使川原氏と出逢い、この世界に飛び込み、もうすぐ20年。今なお師自身、先を目指し舞台に立つ。年間に発表する作品数驚くほど多く、海外でも精力的に活動を続けている。偉大な師についていくのは、並大抵のことではないはずだ。
「勅使川原さんはいつも“何でも言え”と言ってくれるので、私も思ったことをはっきり言っちゃいます(笑)。ただ何でも話せるひとでありながら、ダンスに関しては今も絶対的に師匠です。芸術的な面、ダンスにおいては圧倒的に尊敬してるし、信頼してます」と、佐東さん。
 
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                           『ダンサーRの細胞』(C)Akihito Abe


長い時を経ても変わらない尊敬の念。現在も師から学ぶことは多いと話す。
「勅使川原さんは何かつくるときに毎回毎回新鮮な発見をされる。既成の概念とか自分自身の価値観にしても、定めて見るのではなく、手放しで見ていたり。私もそれを見ていてすごく面白いし、20年近いお付き合いになりますけど、それでも毎回新鮮です」
 
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                            『Luminous』(C)Dominik Mentzos


今やKARASの最古参メンバーとして、後輩を束ね、率いる立場。かつて先輩たちを目指したように、目標とされる存在でもある。近年は若いメンバーも増え、その役割も益々大きくなった。
「自分が感じてきたこと、教わってきたことを伝えていかなきゃという気持ちはあります。私が体験してきたことを、なるべく洗いざらい伝えていけたらと」

踊りだけに限ったことではない。ダンスという道を選んだ彼女の覚悟と、歩んできた道程を通し伝えられるものがある。
「やっぱり時間はかかるんですよね。踊りの稽古をしてるだけ、ただ身体を鍛えればいいっていうものではない。感覚とか価値観、物を見る目も養っていかなきゃいけない。例えばスタジオを整えて、ひとを招き入れる気遣いをすることも踊りにつながってると思う。そうした活動全体を通して、受け渡していけたらと思っています」
 
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