年間半分は海外へ

現在は荻窪にあるKARASのスタジオを拠点に、年間約半分を海外で過ごす。例えば2013年を振り返ると、春はウィーンで公演を行い、夏はフランスの音楽フェスティバルに参加。アメリカでの公演を経て、秋はパリ・オペラ座バレエ団での創作に勅使川原氏のアシスタントとして同行し約一ヶ月間パリに滞在。パリからルクセンブルクに渡り舞台に出演し、冬はスウェーデンのヨーテボリ・バレエ団でワークショップを行っている。

その他一月ほど各地を巡る海外ツアーも入り、まさに旅生活、もはやパッキングはお手のもの。
「前日まで公演をしてそのまま出かけることも多いので、準備はあっという間です。最近は、なんとかなるだろうという気持ちの方が強くて。ダンスシューズと衣裳、あとコンピューターさえあれば大丈夫だろうと(笑)」
 
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 『Fragments of Time』 
(C)Saburo Teshigawara



公演にワークショップ、稽古に海外遠征……。オフもままならない目まぐるしい毎日の中で、心休まる瞬間はというと?
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実家で飼っている愛犬ダイちゃん(雄)


「実家に帰って犬と遊ぶこと(笑)。あとダンスといっても結局いろんなことが関わってくるので、そういう意味でキレイなものに触れることが好きです。特に石や貝殻が好きで、外国の海に行くと必ず持って来ちゃう。それに移動しながら生活してるので、好きなものをいつも身の回りに置いておきたいというのがあって。大切なものは、どこに行くときも持ち歩いてます」
愛犬の写真に、お気に入りの香水、ファンからもらったアクセサリー。こ
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お気に入りの香水とギリシャでファンからもらったブレスレット

れらは佐東さんの旅のお供であり、滞在先のホテルや楽屋の片隅に置かれ、彼女の支えになっている。

転々として育った子供時代。今なお旅のような日々が続く。
「もともとそういう人生だったので、“家はどこ?”“生まれはどこ?”って聞かれても、“うーん、どこだろう?”って思ってしまう。だからなおさら、ダンスと自分が結びつくことでどこでもない場所が作れる、生まれるというのがあって。逆にそういうところの方が居心地がいいので、やっぱりなるべくしてなったのかもしれない。毎日違うことをしてる。そういう意味で言ったら、全部実現してますよね(笑)」

ダンサーとして、佐東さんの目指すものとは? 長い旅の着地点は、一体どこにあるのだろう? そう尋ねると、「着地したくないですね(笑)」との答えが返ってきた。
「着地しないで、どんどん軽くなりたい。身体が音楽を聴いてるときの目に見えない質感を思ったとき、まだまだ自分の身体には重さがあって、もっともっと消えられるんじゃないか、もっともっと滑らかに動けるんじゃないかって思う。それは技術を身につけるということだけではなく、今まで見たことのない感覚とか、動き、身体、質感を求めているのだと思う。そこが最終的にどこかはわからない。ただそう考えると、着地するというより、どんどんいなくなりたいなって思うんです」
 
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  『第2の秋』 (C)Akihito Abe