パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

新時代のベーカリー、365日【代々木八幡】

全国に次々とベーカリーをプロデュースする杉窪章匡さんが自身の店をオープン。パン職人であり、菓子職人であり、料理人でもある彼の店は、気軽に立ち寄れるベーカリーカフェであり、日々の食が楽しくなるセレクトショップでもあります。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

食のセレクトショップ、新しいスタイルのベーカリー

もと「デュヌラルテ」の杉窪章匡さんが2013年12月12日、代々木八幡に新しいスタイルのベーカリーをオープンしました。

365日。見慣れた数字です。普通のようでいて洗練されているそれは、この店のパンに似て、日々の食を買い求める店の名に、ぴったりではないか、と思いました。
食+職-食×食÷食

食+職-食×食÷食


金色に輝く看板の「365日」の下に「食+食-食×食÷食」とありました。その意味を問うと、杉窪さんは言いました。「食材と食材を合わせることで新しい発見がある。そこから引き算をすることで味わいを引き出す。相乗効果が生まれる。それを分かち合うということです。365日の食の積みかさねが、人の心と体をつくる。日々の食事の大切さを感じてもらえたらと思っています」
カウンターとショウケースでコの字型の店内

カウンターとショウケースでコの字型の店内

こだわり食材、食器コーナー

こだわり食材、食器コーナー


だからコンセプトは食のセレクトショップ。奥に厨房があり、店の中央には6席のカウンターと商品棚がコの字型に組んであって、小ぶりのパンが整列しています。壁際には食にまつわる道具や器、果物、紅茶やコーヒー、そしてや米などが並んでいます。え、パン屋さんに米?奥には精米機の姿もありますが。「日本はお米の国。そのうち卵かけご飯定食などを出そうかと思っています。ご飯党の人がパンに興味を向けるきっかけになるかもしれないでしょう?」
杉窪章匡さん

杉窪章匡さん


しかし杉窪さんはこの店でお客さんに、パンはもちろん、彼のスペシャリテであるフォアグラのテリーヌやレストランのデセール的なスイーツも食べてもらう予定だとも言い、コの字の内側にいるサービススタッフはソムリエやシュバリエ、つまりはワインやチーズのスペシャリストたちだといって紹介してくれたのでした。何やら革新的なパン屋さんです。
シンプルでスタイリッシュ、けれど温かい感じ

シンプルでスタイリッシュ、けれど温かい感じ


杉窪さんの蔵書コーナー

杉窪さんの蔵書コーナー


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