リーダーシップ/リーダーシップの基本知識

“カリスマリーダー”を目指すのは危険!(2ページ目)

多くの人が「ああなりたい」と憧れるカリスマリーダーが、今、危ない。リーダーシップが強いリーダーですら、チームをゴールに導けなくなっています。そのカラクリを今回は書きたいと思います。

中竹 竜二

執筆者:中竹 竜二

ラグビーガイド

カリスマリーダー・桃太郎の物語

さて、唐突ですが、あなたは「桃太郎」です。

犬、キジ、猿を引き連れて、鬼が島に鬼退治に行きます。桃太郎の実際の物語の後の顛末はいったん忘れましょう。自分がこれから鬼が島に向けて出発する、その瞬間にいるとイメージしてください。

桃太郎であるあなたは、リーダーシップを発揮し、チームを強く引っ張って勝利を目指します。まずは鬼を倒す明確な戦略をあなた自身が示し、敵である鬼の強み、弱みを徹底的に調べ、犬、キジ、猿に適切な役割を与えます。そして適切に配置し、「このように武器を使って、こう倒せ」と、的確に指示を出して戦いに臨みます。カリスマリーダーとは、まさにこういうタイプです。


戦略通りにいけば、桃太郎はカリスマ&ヒーロー!

鬼は、赤鬼、青鬼、黄鬼の3人。赤鬼は小柄だけれど、足が滅法速く、人間の足ではとても追いつきません。青鬼は体ががっちりと大きく、なんでも踏み潰すほどの大きな足を持っています。一方、黄鬼は人の2倍ほどの身長。上から攻められたら太刀打ちできません。

これに向き合う、カリスマリーダー・桃太郎の戦略とは……。

対・足が速い赤鬼:同様に足が速い犬が担当。スピードは同じくらいでも、機を見て飛び掛かり、足にかみついて倒れさせる。

対・体が大きい青鬼:空を飛べるキジが担当。踏み潰されないように、上から近づく。そして、筋肉は固く、歯がたたないので、鋭いくちばしで頭を攻撃。

対・背が高い黄鬼:動きがすばしこい猿が担当。黄鬼の大きな体をすばやく駆け上り、目隠しをして身動きを取れなくする。

うまくいけば、めでたし、めでたし。桃太郎は、カリスマリーダーの称号を得て、一躍ヒーローになるでしょう。
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