屋上菜園の作り方・コツ!
屋上菜園のコツ
ただし、屋上はベランダに比べて直射日光や風が強く、より過酷な環境になる場合が多いです。風でプランターが倒れたり、資材が飛ばされたりしないよう、また、水やりの頻度が多くなることなどを頭に入れて、作業計画を立てていきましょう。
屋上緑化とは?
屋上緑化の事例。写真は伊勢丹新宿店の屋上
この屋上緑化は現在、Co2の削減や、ヒートアイランド現象の軽減などにも役立つことで注目されています。最近では、行政も推奨しており、東京都をはじめ、都市部では施工費に対する助成金を受けられる地域が増えてきています。
屋上緑化の注意点
屋上緑化を行う場合、建物の屋上に土を載せるため、特に、建物に対する「荷重」や「防水」には注意を払わなければなりません。荷重とは、建物に積載できる重量のことで、建築基準法で定められています。たとえば、菜園用に通常の土を厚さ30cmほどに敷き詰めた場合、1平方メートルあたり300kgの荷重がかかってしまいますが、建築基準法で定められた住宅の積載荷重は、1平方メートルあたり180kgまでとなっており、完全にオーバーしてしまいます。ですから、通常の住宅で屋上緑化を行う場合は、軽量土という特殊な土を用いて、薄層で緑化できる特殊な工法を用いなければなりません。
そのため、屋上緑化で菜園をつくりたい場合は、防水のこともあわせて、専門の業者に相談し、適切な工法で行ってもらうことをおすすめします。
風と水への対処がカギ
荷重や防水など、構造的な部分が解決したら、次に注意しなければいけないことは、風の問題。吹きっさらしの屋上では、ベランダなどで感じている以上の風が吹きぬけます。そのため、背が伸びやすく、倒れやすい品種には支柱をしたり、エンドウマメやキュウリなどのつる植物を這わせる支柱やネットは、それごと倒れてしまわないよう、しっかりとした構造のものを作っておく必要があります。
また前述のように、屋上は直射日光と風が強く、とても土が乾きやすい環境なので、水やりが作業の重要な部分を占めるようになってきます。屋上緑化を計画される際には、まず、屋上に水道の設備があるかどうかの確認を! もし現在無いとしたら、簡単な蛇口でOKなので水道工事をすることをおすすめします。
また、地域にもよりますが、夏場は朝晩2回の水やりが必要になることも予想されます。毎日忙しくて、水やり作業が負担になるという方は、タイマーでコントロールできる自動灌水装置を利用するのも一つの方法です。
直射日光や乾燥に強い品種を選ぶ
水や風などのデメリットさえクリアしてしまえば、何といっても日当たりが良いのが屋上の利点。トマトやジャガイモ、ハーブ類など、もともと乾燥した気候が好きな品種を植えれば、野菜本来の性質を十分に発揮してくれて、おいしく育てることができます。屋上のデメリットを逆手にとって、最低限の水や肥料で育てることで、トマトの糖度が格段に高くなるといわれている、「永田農法」という育てかたにチャレンジしてみるのも良いでしょう。
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