サツマイモは、暖かい地域なら誰でも簡単に栽培できる

サツマイモは、暑さに強く、水や肥料なしでも生育できます

サツマイモは、暑さに強く、水や肥料なしでも生育できます

サツマイモは、暖かい地域であれば、誰でも簡単に育てることができます。サツマイモの栽培には、おおまかに、年間の最高月の平均温度が22℃以上必要とされています。日本では、東北地方の標高700m以下のところまでが栽培可能地域とされています。

サツマイモの原産地は、中南米の砂漠地帯。ですから、暑さに強く、やせた土地でも水や肥料なしで生育することができます。非常にたくましい野菜といえるでしょう。
   

サツマイモの栽培スケジュール(植え付け・手入れ・収穫)

サツマイモの栽培スケジュール

サツマイモは、ツルを土に植え付けることから始まります

植え付けが早すぎると、イモが大きくなりすぎてしまうので、注意しましょう。
 

サツマイモ栽培で準備するもの

サツマイモ畑の様子。畑の土を覆い隠すように、びっしりと葉が茂ります

サツマイモ畑の様子。畑の土を覆い隠すように、びっしりと葉が茂ります

■植え付けに必要なもの
サツマイモは、「苗」というよりは、ツルを切り取った状態のものを植え付けます。苗(ツル)は、大きなホームセンターなどで購入することができます。

手に入らない場合は、種イモから自分で苗を作ることも可能です。小さめのコンテナに種イモを1つ植え付けると、ツルが何本も伸びてきますので、ある程度の長さになったら、先端から5~6節あたりの長さで切り取って苗とします。

植え付けの際には、元肥などの肥料は必要ありません。肥料が効きすぎると葉ばかりが繁ってしまい、イモが育たなくなってしまうからです。前に何か作物を育てていた後に植え付ける場合は、そのときの肥料が残っている場合もありますので、注意しましょう。

■畝立て方法
また、基本的に乾燥した土を好みます。土をよく耕し、風通しの良い高畝を作っておけばOKです。
 

サツマイモ栽培1【植え付け】

サツマイモは、1株でも広範囲に広がる作物です。

地植えの場合:畝の高さは30cm程度、株間は30~40cm、畝と畝の間は70cm~1mほどとります。

鉢植えの場合:深めのプランターを準備。長方形のプランターなら1~2株、直径30cm程度の円形プランターなら1株が適量です。

植え付けは、ツルの茎の部分を土にさすだけでOK。植え付け直後と、2~3日後の2回、水をたっぷり撒くと、活着率が高まります。
 

サツマイモ栽培2【手入れ】(基本放任でOK)

しっかりと根付けば、植えつけてから数日後にはツルが伸び始めます。

■地植えの場合
地植えの場合、生育が活発になる前に、雑草の勢いに負けてしまうことが心配なので、植え付け後から、ツルが畑全体を覆う前までの間、1~2回雑草取りをしましょう。根が活着しさえすれば、水やりは必要なく、放任でOKです。

■ツル返しの方法

ただし、伸びたツルから新たな根が出て「不定根」という根を形成することがあります。こうなると、葉の生育は旺盛になるのですが、葉が過剰に茂りすぎて、肝心のイモに養分が行かなくなってしまうという弊害もあります。そこで、伸びたツルの先端に生えはじめた根を見つけたら、随時、引っこ抜くようにしましょう。これを「ツル返し」といいます。

■鉢植えの場合
プランターで育てる場合は、伸びすぎたツルを適宜切ってしまっても大丈夫です。
 

サツマイモ栽培3【収穫時期】

収穫時期のサツマイモの様子。実際には、試掘りをして、大きさを確かめてみましょう

収穫時期のサツマイモの様子。実際には、試掘りをして、大きさを確かめてみましょう

ツルの茎が紫色になってきたら、収穫時期です。試し掘りをしてみて時期を見極めるか、少しずつ収穫しながら生育を楽しんで、10月後半になったら、一気に掘り上げるという方法もあります。掘り上げる際には、イモに傷がつかないよう、手で掘るようにします。

プランターで育てている場合は、シートなどの上にひっくり返して、余分な根や土を取り分けます。
 

サツマイモ栽培4【貯蔵方法】

サツマイモは、収穫したてよりも1カ月ほど寝かせたほうが、甘味が増しておいしくなります。また、傷や水がついていると傷みやすいです。傷がついているものは、早めに食べるようにしましょう。それ以外のものも水洗いはせず、土を落とした状態で風通しの良い場所に置き、1日ほど乾かします。

乾いたイモは、1つ1つ新聞紙で包みます。そして通気口をあけた段ボールか発泡スチロールの箱に入れ、冷暗所に置いておくと、長期保存が可能です。
 

サツマイモ栽培5【病害虫とその予防法】

ほとんど手のかからないサツマイモですが、病害虫の被害に遭うこともあります。代表的なものを以下にまとめてみました。

■立枯病
葉が黄色になってしおれ、ひどい場合は、枯れてしまいます。また、茎やイモに黒い斑点が出る場合もあります。

<予防法>
立枯病の病原菌は、「糸状菌」といってカビの一種です。被害部をみつけたらなるべく早く切除し、枯れ落ちた葉や蕾も拾い集めて処分することで、それ以上菌が広がることをおさえられます。

また、ネギ科植物の根に共生する拮抗菌が「立枯病」の病原菌を抑える効果があるので、コンパニオンプランツとして、近くにニンニクやネギを植えるのもおすすめです。

■センチュウ・コガネムシ類
根に寄生し、根を腐らせたり、イモを食害したりしてしまいます。

<予防法>
植え付け前に、畑の土を天地返しし、これらの虫がいないことを確認します。発見した場合は、その場で駆除します。また、これらの害虫は、水はけの悪い土に発生しやすい傾向にあるので、植え付け前に土の水はけを良くしておきます。

さらに、マリーゴールドにはセンチュウを抑制する効果があるので、コンパニオンプランツとして近くに植えておくのもおすすめです。
 

人気のサツマイモ、安納芋を栽培することも可能!

ねっとりとした独特な触感と甘味が特徴の安納芋

ねっとりとした独特な触感と甘味が特徴の安納芋

「安納芋」というサツマイモの品種、聞いたことがありますか? 糖度が高く、焼き芋にすると、ねっとりとした独特の触感があり、スイーツにも加工されるなど、とても人気があります。

これは種子島を代表するサツマイモの品種で、「幻の品種」と言われたりすることも。この安納芋、個人で栽培することは可能なのでしょうか?

答えは、イエス。「安納芋」は、平成25年までは登録品種苗として、種子島でのみ栽培が認められていて、他の地域で栽培することはできませんでした。ですから、以前は手に入りづらかったのですね。しかし現在では、大きなホームセンターや通販で、わりと手軽に苗を手に入れることができるようになりました。

ただし、「安納芋は種子島産が一番おいしい」という意見もあります。その理由は、種子島の特有のミネラル豊富な土壌にあるようです。自宅で育てた安納芋と、種子島産の安納芋を食べ比べてみるのも面白いかもしれません。

国内で生産されているサツマイモには、40あまりの品種があります。代表的な「鳴門金時」や「紅あずま」の他に、カロチンが豊富な「ハマコマチ」や「隼人芋」、スイーツなどにも使われる、紫いも系の「アケムラサキ」や「パープルスウィートロード」など、通常の野菜売り場では見かけない品種の苗も、最近はネット通販などで少量から手に入れることが可能になってきました。

水やりも必要なく、ほとんど手間いらずのサツマイモ。屋上菜園や自宅から離れた市民農園などでの栽培にも向いていますね。作りやすく収穫量も多いため、初心者にもおすすめです。

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