キャリアプラン

働くということ 実社会との出会い(2ページ目)

数々の文学賞を取られ、昨年まで芥川賞の選考委員であった黒井千次さんの自伝的な本です。専業作家になられる前の会社員時代に試行錯誤された経験から、仕事とは、働くとは、どういうことかを考え、意味づけられた本です。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


不自由の中の自由を掴む

自由を勝ち取るためにはもがき苦しむことも必要

自由を勝ち取るためにはもがき苦しむことも必要

結局のところ、最初のうちは、仕事を自分で選ぶことはできず、上司から任される形です。つまり、不自由な状況に置かれている訳です。このような環境において自分で時間をコントロールすることはなかなか難しいものです。

であれば、早くこの状況を打破するために、上のポジションへ脱出することです。部下から上司になった時点で景色は大きく変わることでしょう。自分が任せる側なので、仕事の割り振りやきちんとしたチェック&レビューをうまく行う事で自分の時間を創ることができます。

しかしながら、中間管理職は部下もいれば上司もいるポジションです。全ての自由を勝ち取るにはピラミッドの頂点、社長になることです。と言いたいのですが、そこに辿り着くことは本当の一握りです。到達したのはよいものの、実は社長には最も手強い上司がいます。

社長になればわかることですが、市場そのものが上司です。情もへったくれもありません(笑)

総じて言えば、会社という中では上になればなるほど、自由度が大きくなるものです。その意味で、まずいち早く管理職になることは一手でしょう。会社に拠りますが、昇進スピードは企業規模によって異なります。中小やベンチャー企業では3年、5年で管理職になることは結構あります。逆に、大企業では10年、20年掛かることでしょう。

優秀な方であればあるほど、会社や上司に対しての内なる要求度が高いので自分の中での折り合いが求められるのです。どうしても折り合いがつかない場合、起業や転職という選択肢に踏み切る訳です。

この本「働くということ」を読まれると、仕事とは、働くとは、自分とは、というように、本質的な部分を考えるヒントが得られる良著と考えます。

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