ストレス/ストレスフリーの思考術

優等生タイプほど劣等感が強いのはなぜ?(3ページ目)

成績トップの優等生から、なぜか「私なんて」「しょせん」といった劣等感めいた言葉を聞くことは、意外に多いものです。明晰な頭脳、優秀な成績を手にしているのに、どうして強い劣等感を持っているのでしょう? そして、劣等感を根付かせないためには、どんな対応が必要なのでしょう?

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

頑張っている「姿勢」や「内容」を見逃さない

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受容、共感、肯定的な対応でやる気を引き出そう

ではどうしたらいいのでしょうか? 「結果」ではなく、頑張って取り組んでいる「姿勢」や「内容」に注目して、声をかけてあげることです。

「最近、計算が速くなってるね。頭の回転がよくなってるんだね!」「この作文の出だし、いいね。大人っぽい文が書けるようになったね」というように、姿勢や内容に注目すれば、子どもは、「向上している自分」「頑張っている自分」を感じることができ、「自分はOKだ」という自己肯定感、「自分はできる」という自己効力感を持つことがで きます。

そして、失敗してもその「結果」で落胆したり、責めたりしないことです。残念な結果にいちばん落胆しているのは本人です。その上、親のガッカリした顔を見ると、「評価されない絶望感」に苦しめられてしまいます。

「残念だったね」とまずは子どもの気持ちを受容、共感し、「でも、毎日頑張ってきたのを知ってるよ。間違えたところをしっかり見直せば、次はできるよ」――と「姿勢」や「内容」に注目して、肯定的な指摘をしてあげること。すると、失敗をバネにして実力を伸ばしていくことができます。
 

自分自身で「自分の良さ」を発見する

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ノートに、自分の「成してきたこと」「できていること」「強み」をまとめてみよう

とはいえ、「親にそんな対応を期待すべくもない」という人もいるでしょう。そんな優等生本人は、どうしたらいいでしょう?

ぜひ、自分自身の「成してきたこと」「できていること」「強み」に注目してみましょう。「自分の良さ」は、自分自身ではクリアに見えないものです。そして、受容的、共感的、肯定的対応ができる親など一握りしかおらず、実際には、「どうしてできないの?」「できて当たり前」といった態度や言葉を繰り返す親の方が、一般的なのです。したがって、親を責めても仕方がありません。

自分自身で「成してきたこと」「できていること」「強み」を紙に書いて整理し、自己肯定感、自己効力感をアップしていくこと。友だちと話し合いながら、お互いの「自分の良さ」を指摘しあっていくといいでしょう。また、カウンセラーと話しながらまとめ、自己理解を深めていくのも効果的です。

自分の経験や力を肯定的に理解することにより、初めて「何を学びたいか」「どんな分野に進みたいか」といった人生目標に目を向けることができます。ぜひ、才能を生かした自分らしい人生を切り開くために、自分の良さに目を向けてみてください。

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