銀座「空也」4代目と「空いろ」店主
2006年から200本ほどの記事を執筆してきましたが、その中で今でも多くの方にご覧頂いているのが2年前に執筆した東京・銀座の老舗和菓子店「空也」とその新業態「空いろ」に関するもの。伝統的な製造・販売スタイルを守る「空也」を知る人にとっては意外だったであろう「空いろ」のオープン。2周年を迎えた空いろと、それを導くように少しずつ登場の場を増やしている空也を再び訪ねてきました。
銀座「空也」
2年前、「空也」の4代目で現店主の山口元彦さんと女将の公子さん、そしてお2人のご長男で「空いろ」の店主、山口彦之さんに別々にお話を伺ったのですが、今回は「空也」にて一堂に会しお話を伺いました。
(過去記事:
「『空也』の『空也もなか』はなぜ売り切れる?」
「『空いろ』銀座の名店『空也』の期待の新店!」)
お邪魔した日は台風で公共交通機関のダイヤに大きな乱れが生じた日。それでもお店の外には「本日分は売り切れました」のお詫びの紙がありました。
2年前と同じ時期に訪ねたので、季節の「生菓子」は同じ顔ぶれ。すっきりとした意匠も、上質ながら気取りのない味わいも変わらずほっとします。
「空也もなか」は消費税増税を受けて9年ぶりに値上げに踏み切り、自家用箱で1個当たり5円ほど値上がりしましたが、それ以外は変わりがなく、蓋を開けると鼻をくすぐる焦がし皮の香りも、食べている間も崩れることなく美しい姿を保つ皮も、風味豊かな艶やかな餡も期待を裏切ることはありません。
「良いものを価格を抑えてお届けする」ことを信条に、銀座のビルで餡作りから包装、販売までの全てを行うことで余計な経費を発生させず、余分は作らず作ったその日に売り切ります。
無駄のなさは空也独特の潔さ、美しさとして多くの人に受け入れられ愛されています。味わいもさることながら、予約が必須という希少性からも、特に真心を伝えたい手土産にはこれと決めているご贔屓さんも多いよう。