常温の水がいいって本当? 運動後の水分摂取

常温の水が体にいい?

運動後の水分摂取

運動には水分補給が不可欠ですが、運動後に身体の体温が高いときでも「常温の水の方が身体にいい」という固定概念にとらわれて、「常温の水」を摂取している方も多いのではないでしょうか?

今回の伝えたいのは、摂取すべき水の温度や量、タイミングは「目的」によって変わるということです。季節、環境、体調、体質によっても変わります。どのように水を摂るのが効率的なのかを知ることは重要なことなのです。
   

1日に必要な水分量はどれくらい?

水は老廃物などの毒素を排泄(便・尿・汗)したり、体温調整をしたり新陳代謝を良くしたりと、体にとても重要な役割を果たします。成人の身体の60~70%が水分で出来ているということはご存知の方も多いと思います。

では、1日に必要な水分摂取量の目安はどのくらいでしょう?

まず1日の水分の出入りは2.5Lと言われます。 尿や便、呼吸や汗から水分の2.5Lが排出され、体内で作られる水分(タンパク質や炭水化物、脂肪などの代謝によって得られる水)が0.3Lなので、食事から1.0L、飲み水から1.2L~1.5L杯程度が必要となります。
※出典:環境省熱中症環境保健マニュアル(2014)より。

上記は厚生労働省による平均的な数字ですが、体重も目安になります。体重(kg)を30で割った値が必要な水分量(リットル)になります。例えば体重50kgの人の場合は1.7リットルという計算になります。これは運動時ではなく普段の生活時の水分目安量なので運動や温熱環境のために発汗量が通常より多いときには、さらにこまめに水を飲むとよいでしょう。

それでは、普段の実生活において、本当に身体に必要な水分が足りているか考えてみましょう!
 

まずは尿の色をチェック!

尿の色は、身体に含まれる水分状態を知らせてくれるバロメーターなんです。(※季節や体調・服用薬の有無などで尿の色が変化することはあります)
 
  1. 殆ど透明色 → 水分を過剰に摂取している
  2. うすい黄色で透き通る色 → 健康で問題がない
  3. 濃い黄色、あるいは茶色に近い色 → 水分が不足している

摂りすぎも良くないですが、たくさん水分を摂っていると思っても、不足していたというケースも多いと思います。

体の中の水分が不足すると、熱中症(ねっちゅうしょう)、脳梗塞(のうこうそく)、心筋梗塞(しんきんこうそく)など、さまざまな健康障害(しょうがい)のリスク要因となります。 健康のためにこまめに水を飲みましょう※出典:「健康のため水を飲もう」推進運動 厚生労働省より。
 

水を飲む量とタイミング

次に参考にしたいのは、水を飲むタイミングと量ですが、1回に多くの水をがぶ飲みするのはおすすめできません。水のみの摂り過ぎにより、血液が薄まってしまう水中毒には注意しましょう。

例えば、以下のようなときに小さめのコップ一杯程度(200~250ml)を8回くらいにわけて、小まめに補給しましょう。
 
  1. 朝起きたとき 1杯
  2. 食事 1杯
  3. 運動時 2杯
  4. 休憩時 1杯
  5. 入浴前後 2杯
  6. 寝る前 1杯
     
ここで、補足としてダイエットにもっとも効果的なタイミングは「食前」です。空腹時に水を飲むことで満腹中枢への刺激があり、食べ過ぎを防ぐことができます。

また、ジョギングなどの運動時は走る30分程前に300~500ml程度の水分を摂取し、トレーニング中は汗の量の50~80%を補給し、15~30分ごとに250mlを摂取することで体温の上昇を抑え体の負担も回復も早くなります。

発汗量(リットル)=(運動後の体重の減少量(kg)+運動中に摂取した水分量(リットル))÷運動時間(h)

例えば……
運動後1kg減少/1リットルの水分摂取/1hの運動時間では→2リットルの発汗量となります。必要な水分補給量としては1~1.6リットルとなります。
 

水の温度とその特性

水の温度と吸収のしやすさと体への負担の関係

水の温度と吸収のしやすさと体への負担の関係

次に、「常温の水」がダイエットにいい、と言われていますが、目的に応じて選ぶのが良いということについてお伝えします。水の温度と特性を知り、状況に応じてチョイスすることが大事です!
※あくまでも目安で、地域、場所、季節によっても変わります。

■冷たい水がおすすめなのは?
真夏や暑いと感じるとき、ジョギング・運動後は体の中から熱くなっています。体温が上昇し沢山、汗をかいています。そんなときは体の水分が不足しています。「冷たい水」を飲むことで熱くなった体を冷やし、素早く水分を吸収するべきなのです。

■常温もしくは温水がおすすめなのは?
逆に、夏でもクーラーの効いたような場所で仕事をしていたり、体を動かしていないとき、冬の寒いときに「冷たい水」を飲むと、ますます体が冷えてしまいます。こんなときは冷え性を悪化させてしまいますから、「常温の水」もしくは「温かい水」がお勧めです。

■温かい水がおすすめなのは?
寝る前は「温かい水」を飲むことで、副交感神経が優位になり、リラックス効果があり深い睡眠につくことができます。寝ている間はゆっくり胃腸を休めるのにも「温かい水」がお勧めです。

また、運動後の「冷たい水」の効果はご紹介しましたが、それ以外にも実は色々なメリットがあるんです!次は「冷たい水」自体の効果を紹介します。
 

冷たい水の効果

冷たい水の効果

冷たい水の効果

■便秘改善効果がある!
寝起きに冷たい水を飲むと、胃腸が働いて便が出やすくなるといわれています。冷たい水が胃壁を刺激すると、ガストリンというホルモンが分泌されます。

この影響で胃が活発に動き出し、小腸へ水分を運び始めることで、便通がよくなるといわれています。

体内の毒素は肝臓で代謝され、便に出ています。身体に含まれる毒素の75%は肝臓で代謝され、便で排泄されます。便秘を改善することで腸の働きも良くなります。

■水分の身体への吸収が早い!
水分の吸収は主に小腸で行われます。なので、いかに早く小腸にたどり着くかがポイントとなってきます。先ほどご説明したケースのように、真夏、激しい運動の後、入浴後などの体温が上がり発汗が多いときは出来る限り早く水分を補給したい。そんなときは冷たい水の摂取が有効です。

■カロリー消費を増加させる!
冷たい水を飲むと、身体はその水を体温と同じ温度まで高めるためにエネルギーを使います。つまり、冷たい水はより多くのエネルギーを必要とするため、カロリーを消費すると考えられます。

朝起きたときに250ml、お風呂の前に250ml、お風呂の後に250ml、少し汗が出たとき(例えば通勤時に歩いたときなど)250mlとそれぞれ冷たい水を摂取すると合計で1リットルになります。

1gの水の温度を1度上げるためには1kcal必要です。
体温が36.5度の人が10度の水を飲めばその差は26.5度。
10度の1000ml(運動時・入浴前後の補給量とした場合)の水を36.5度まで上げるには1000×26.5=26500cal必要です。
1000cal=1kcalなので、26.5kcalの消費です。

1日摂取カロリー=消費カロリーを続けることが前提ですが、冷たい水を摂取すると26.5kcalのカロリーを消費すると言えます。

■交感神経を優位にする
寝起きはまだ、副交感神経が優位です。体温や血流、ホルモンの分泌など変化が一斉に起こっているにも関わらず、うまく交感神経に切り替わらないと、体温上昇や血流増加に支障が出て代謝が悪くなります。朝に素早く交感神経にスイッチを切り替えるときに冷たい水を飲むのもお勧めです。
 

目的状況にあった水の温度調整

目的にあった水の温度調整

目的にあった水の温度調整

胃腸の弱い方や冷え症の方は冷たい水を摂取するメリットよりも、冷え症の悪化や胃腸への負担などのデメリットの方が大きくなってしまう場合もあるので、ご自身の体質や体調に合わせて選択する必要があります。

まず、自分の体を良く知ること、水分量が足りているかをチェックし見直した上で、実生活の中で寝起き・運動時・入浴時等、汗を大量にかいているとき、便秘が気になるときに「冷たい水」をポイントで摂取することは有効です。

逆に体が冷えているとき、薬を飲むとき、寝る前などは「常温の水」もしくは「温水」を取り入れるといいでしょう。摂取する水の温度はそのときの目的、状況にあった水の温度調整が必要ということです。

【関連記事】

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ダイエットは個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。