古き良き北京の街並みを堪能できるエリア・前門
前門大街。中央に見えるのが正陽門(箭楼)。その向こうが天安門広場
前門とは?
北京の町は、かつて上の図のように城壁に囲まれていました。町は故宮(紫禁城)を中心とする“内城”と、その南に出っ張るように存在する“外城”の二つに分かれていました。前門とは、故宮の真南にある内城から外城へ通じる正陽門の俗称。いにしえの正陽門は“正陽門”と“箭楼”に二分され現存しています。もともと城門の俗称だった前門は、時代と共に、正陽門の南側一帯を指し示すようになり、いまでは、前門は城壁の名前としてではなく、エリア名として使うのが一般的になっています。
前門、北京五輪を契機に大変容したエリア
鮮魚口の南に位置する「台湾街」。写真の台湾夜市は夏季限定で16時頃~
そんな前門が、大きく動き出したのは北京五輪の1年前の2007年。道が封鎖され、大規模な修繕工事が始まりました。そして、五輪開幕前日の8月7日に一般開放されたのです。
修繕後の前門は、清朝末期から中華民国初期を思わせる、整備されたエリアに生まれ変わりました。「前門大街」や「大柵欄」といったメインスポットはすっかり変容してしまいましたが、裏道へ一歩入れば、昔のゴチャゴチャ感は健在! 今でも観光客はもちろん、地元北京っ子にも愛される人気エリアです。
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