全員がリードし、支えることができる組織が勝つ時代へ

ビジネスの世界もラグビーの世界と同じです。組織のリーダーは、部下の仕事の現場にずっと付いていき、指示を出せるわけではありません。ひとたび現場に出れば、そこは部下の自律性に任せるしかありません。さらに、私たちが対峙する社会はめまぐるしい変化の中にあります。ここに、「今こそフォロワーシップ」の理由があります。

激変のなかで、いくら優れたリーダーでもあらゆる情報を得て、優れた戦略を常に編み出すことなど不可能に近いでしょう。しかも、リーダー層である30代、40代が経験してきた環境と、20代の若手が対峙している今の現場は驚くほど違います。過去の成功体験は、ほとんど意味を持ちません。今、すべてのリーダーは現場の最前線にいるメンバーたちの力に頼らざるを得ないのです。

冒頭に書いたJAXAやNASAでフォロワーシップを重視するのも、同じ理由でしょう。宇宙の過酷な状況下においては、リーダーもフォロワーもなく、全員がチームやほかのメンバーを引っ張り、支えることが重視されるのではないでしょうか。

結論。注目すべきは「リーダーのフォロワーシップ」

つまり、瞬間を切り取ったとき、組織のあり方は2つあります(下図)。

不可分なリーダーシップとフォロワーシップ

リーダーのフォロワーシップと、フォロワーのリーダーシップは不可分。フォロワーにリーダーシップを期待するならば、リーダーが「支える」ことが重要。



1. リーダーが強く指示を出し(リーダーのリーダーシップ)、フォロワーがそれを支えて自らのすべきことを完遂する(フォロワーのフォロワーシップ)
2. フォロワーがチームをけん引し、自律的に動き(フォロワーのリーダーシップ)、リーダーがその成長や成功を支える(リーダーのフォロワーシップ)

極端に言えば、1と2の組み合わせで組織は成立しています。1は、通常の組織の指揮命令系統です。フォロワーのフォロワーシップは、どんな時代でも重要なのは間違いありません。激変期の「今こそ」は、2の組織のあり方です。「今こそ」大事なフォロワーシップは、実はリーダーのフォロワーシップなのです。

リーダーになったとき、誰もが「メンバーの先頭に立って、リーダーシップを発揮しなければ」と思うでしょう。しかし、これからのリーダーは、フォロワーシップこそ身に付けなければならないし、それこそが組織をゴールに導くことにつながると、私は考えています。



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