ヘルシンキ・ヴァンター空港から、いざヘルシンキ市内へ
2015年に空港地下に鉄道駅が開通し、従来のバスだけでなく近郊列車を利用してスムーズにヘルシンキ中心街まで出られるようになった
空港からヘルシンキ市街までの移動は、従来はフィンエアーシティバス、首都圏近郊バス、タクシーが主要手段でしたが、2015年に空港内に鉄道駅(Lentoasema/レントアセマ駅)がオープンし、同時に空港からヘルシンキ中央駅へと向かう鉄道が開通。列車を含めたそれぞれの手段の所要時間や料金目安は以下のとおりです。
空港からヘルシンキ市内へ(1)近郊列車を利用
空港からの路線の開通に伴い一大ターミナル駅として新装されたティックリラ駅
サインボードをたどっていけば、それぞれのターミナルの到着ロビーから数分でエスカレーター入口へと到着。近郊列車、長距離列車それぞれの券売機もその向かいに設置されているので、ここでチケットを買っておきましょう(チケットは車内で車掌さんから購入することも可能)。駅入口からプラットフォームまでは、まださらに少し歩かなければならないのですが、キャリーケースを楽に転がせる摩擦の少ない床なのでご安心を。
両ターミナルの到着ロビーを結ぶ連絡通路の中間地点に設置されたエスカレーターの入口。向かいには近郊列車の券売機も設置されている
空港駅とヘルシンキ中央駅を結ぶ近郊列車は、ヘルシンキ市とヴァンター市の主要駅をつなぐように新たに開通した環状線P線(時計回り)とI線(反時計回り)。どちらに乗っても確実にヘルシンキ中央駅まで到着できますが、空港駅からはP線に乗ったほうが数分速くて30分弱で到着。逆に中央駅から空港に向かう場合は、I線のほうが若干早く到着するというわけです。どちらも約10分間隔で運行しています。
■料金
チケットについては、首都圏の公共交通機関のルールが適用されるので、空港のあるヴァンター市からヘルシンキ市までの2市間移動用のチケット(seutulippu)の購入が必要になります。一回券は、券売機やモバイルアプリから買えば5ユーロで、2017年6月より車内での購入は不可になりました。プラットフォームにも券売機はありますが、駅に降りるエスカレーターの手前にある券売機で余裕を持って購入しておくとよいでしょう。いずれのチケットも、購入した時間からあらゆる公共交通機関で80分有効(乗り換え自由)の券ですので、ヘルシンキ中央駅に到着後、期限が切れていなければ同じ切符でトラムや地下鉄に乗り継ぐことが可能です。
空港からヘルシンキ市内へ(2)近郊バスを利用
近郊列車と同じくリーズナブルで楽な手段は、空港到着ゲート前のバスターミナルから発着している近郊バス615番の利用。第1ターミナルバス停では 12番乗り場から、第2ターミナルバス停では25番乗り場から発車し、終着駅がヘルシンキ中央駅東側のターミナルとなります。ヘルシンキ中央駅東側ターミナルから出る空港行きの615番バスの乗り場は、7番乗り場へと変更されたので注意!
近郊列車の開通にともない、バスは本数が削減されたうえ(約30分間隔で運行)、途中のルートも変更されて終着ヘルシンキ中央駅までの所要時間は約45分と以前に比べやや延長されてしまいました。乗車時間だけを考えれば近郊列車のほうがスムーズですが、空港到着ロビーから停留所までの徒歩移動の距離はバスのほうが短く、終着場所もわかりやすいので、お年寄りや荷物が多い人には列車よりも利便性があるとも言えます。バス内には、大型トランクを放置できるスペースが設けられています。
バスは中心街に入るとハカニエミ地区を経由して駅へと向かうので、Hilton Helsinki スタンダード・ホテルなど、滞在ホテルによっては終着までに最寄りバス停が見つかる可能性があります。帰国日にヘルシンキ中央駅から空港へ向かう場合、駅東側のラウタティエントリ(Rautatientori)から発車するのは以前と変わりませんが、乗り場が変更されたのでご注意を。2017年6月現在、駅東側バスターミナルの7番乗り場から空港行きの615番バスに乗ることができます。またこの他に、駅西側バスターミナル26番乗り場から約30~50分おきに発車する415番バス、ハカニエミマーケット前から日中不定期に発車する617番バスも、空港が到着地となります。
>>615番バスの時刻表
>>415番バスの時刻表
>>617番バスの時刻表
■料金
チケットの料金は近郊列車と同様に、乗車前に券売機などで買えば5ユーロ、乗車時に運転手から買うと5.5ユーロ。バス停には券売機が設置されています。こちらも購入した時点からあらゆる公共交通機関で80分有効(乗り換え自由)の券ですので、ヘルシンキ中央駅に到着後、期限が切れていなければ同じ切符でトラムや地下鉄に乗り継ぐことが可能です。
空港からヘルシンキ市内へ(3)フィンエアーシティバスを利用
フィンエアーシティバスは、フィンランド航空が運行している空港・ヘルシンキ市街間を結ぶシャトルバス。第2ターミナルバス停10番乗り場(第1ターミナルバス停では1番乗り場)から、日中は約20分間隔で運行しています。フィンエアーシティバスは、ヘルシンキ中央駅西側ターミナルの30番乗り場から発着
終着するヘルシンキ中央駅までの所要時間は約30分。バスは市街に入るとトーロ湾西側を経由して駅へと向かうので、Scandic Continentalホテルなど滞在ホテルによっては終着までに最寄りバス停が見つかる可能性があります。ヘルシンキ中央駅からは、駅西側のエリエリンアウキオ(Elielinaukio)ターミナル30番乗り場で空港行きのフィンエアーシティバスに乗ることができます。
■料金
料金は、運転手から買えば一律6.30ユーロ(2017年5月現在、ウェブサイトで事前購入すると6.20ユーロに)。バス内には、大型トランクを放置できるスペースが設けられています。
空港からヘルシンキ市内へ(4)タクシーを利用
タクシーでのぼったくり被害などはまず聞かないので、メーターを確認しつつ安心して乗車してよい
■空港駅とヘルシンキ中央駅間の移動時間
空港からヘルシンキ中心街間のタクシー移動の所要時間は約30分。通勤・退社ラッシュの時間帯はもう少し長めに見積もっておくほうがベター。
■料金
料金は45~50ユーロが目安です。市街から空港行きのタクシーをつかまえる際は、ホテルに頼んでタクシーを手配してもらうか、駅など主要場所にあるタクシー停留所の待機タクシーを利用します。フィンランドでは流しタクシーは走っていないのでご注意を。
空港から地方都市に向かう場合は、長距離バス/長距離列車のアクセスをチェック
長距離列車の車内は、Wifiも利用可能で食堂車もあり、とっても快適
バスの場合、空港からは、ラハティ、タンペレ、トゥルク、ユヴァスキュラなど中南部の都市への直通バスが比較的頻繁に出ています。概してバスは鉄道移動より時間がかかりますが、乗り換え不要であることを考えると、移動はスムーズでわかりやすいです。切符購入はMatkahuolto社のウェブサイトから。長距離バスの乗り方については過去記事「フィンランドを長距離列車&バスで旅するには」を参照ください。
列車で地方都市へと直行する場合は、ひとまず空港駅から近郊列車P線に乗って、3駅目のティックリラ(Tikkurila)駅か、ヘルシンキ中央駅のひと駅手前のパシラ(Pasila)駅で目的地別に各長距離線に乗り換えます。その場合は、チケットも空港から最終目的地までを指定することで一括購入が可能です。ヘルシンキ・ヴァンター空港から各都市への列車移動をする際の時刻検索、切符購入はVR社のウェブサイトから。また、長距離列車の乗り方については過去記事「フィンランドを長距離列車&バスで旅するには」を参照ください。
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