ヌークシオ国立公園は、首都圏の人や観光客に愛されるハイキングの森

ヌークシオ

公園と名のつくものの、実際は天然林の森のなかに、極力自然を荒らさない形で遊歩道が整備されている程度。豊かな森の雰囲気を間近で存分に味わえる

「フィンランド=森と湖の国」というイメージは、実際に訪れてみれば、まさに言い得て妙、と誰しも納得するはず。事実、フィンランドの国土は70%が森林で覆われ、さらにその合間を縫うように18万もの湖沼が存在していると言われます。森と湖の折り重なる景色を堪能できるのは、主にはフィンランド中部から中東部にかけて広がる湖水地方ですが、首都ヘルシンキからでも電車とバスを乗り継ぎ少し郊外に出れば、これぞイメージの中のフィンランド!というべき、湖畔の森に辿り着くことができます。

ハルティラ

散策道の入口からはやや外れるが、2013年にエリア内にオープンしたビジターセンター・ハルティラ

首都圏の人たちや観光客にとって最も身近で、気軽に森林ハイキングに繰り出せる人気スポットといえば、ヌークシオ国立公園。ヘルシンキの西隣の都市エスポー市の北部に横たわる、約53平方キロメートルの天然林地帯で、1994年に国立公園に指定されて国に管理されるようになりました。

広大なエリアの中には、自然景観を損ねない程度にいくつかの散策道や休憩所、ビジターセンターなどが整備されていて、ルートを決めて歩けば初めての訪問者でも迷わずにハイキングを楽しむことができます。せっかく豊かな自然が自慢のフィンランドに来たからには、地元の人に倣って森歩きに繰り出してみませんか?

 

いざ、森林浴ハイキングへ。ベストシーズンは?何を持っていけば良い?

ブルーベリー

7月半ば頃から9月頭にかけては、森のそこここにブルーベリーが実をつける。自然を荒らしたり専有しない程度に摘んで口にするのはOK

公園内は一部を除き年中立ち入ることはできますが、寒く積雪のひどい季節にはおすすめできません。やはりベストシーズンは、気候が安定し緑が芽吹く5月ごろから、夏、そして紅葉の美しい10月上旬ごろまで。

ヌークシオ国立公園内は、日本の山のように高低差は少なく、いずれの散策ルートもそんなにハードではありません。斜面や足場が悪い場所には木のステップも組んであります。ですから気合を入れた重装備より、動きやすさ重視の服装+軽いリュックなどでゆけば問題ありません。脚はできるだけ露出を避け、汚れても良い防水性のスニーカーを履くのが望ましいです。森の中は思いのほかひんやり感じるものなので、夏でも薄手の上着はあったほうが良いかもしれません。いっぽう、夏の日差しはきついので、晴天の日には日よけ帽子が必須。UV対策も入念に!

虫よけ

フィンランドのスーパーや薬局で手に入る虫除けスプレー

それから特に6~8月にかけて、森や湖畔には蚊が大量発生します。フィンランドの蚊は日本のよりビッグサイズで毒性が強く、刺されると大きく腫れ上がって跡が残ったり何日もかゆみが続いたりすることがあります。さらに、頭皮や服の上からでも容赦なく刺してくるので、スプレータイプの虫よけを持参し、出発前には露出している皮膚にはもちろん、頭や服の上にもさっとふりかけておくと効果があります。また刺されてしまってからの対策として、フィンランドの薬局では手軽な虫さされの塗り薬などが手に入りにくいので、日本から持参しておくと役に立つかもしれません。

 

薪小屋

散策道のところどころには、ファイヤープレイスで焚き火をする人のために薪の保管小屋がある。設置された斧の利用には気をつけて

またハイキングのコースや滞在時間にもよるでしょうが、飲み水と軽食くらいはカバンに忍ばせておきたいところ。国立公園内にはところどころに休憩所もあり、その付近には、誰もが自己責任のもとで自由に使えるファイヤープレイスと薪が設置されています。火起こしに慣れている人は、着火用具と、ソーセージなど焼けばおいしい食べ物を持って行くとよりアウトドア気分を満喫できるでしょう(火の始末にはくれぐれも注意)。場所は限られていますが、公園内には紙付きのトイレも分別ゴミ捨て場もあるので活用してください。ちなみに、売店やレストランは国立公園内には一切ないので、食料・物品調達は必ず出発前に!

 

次ページでは、国立公園内のメインコースと歩き方を紹介!