企業のIT活用/システム運用管理

ビッグデータの山からお宝発見(2ページ目)

ビッグデータという言葉をよく聞くようになりました。ビッグデータとは文字通り巨大なデータの集まり。ビッグデータの目的は社内に蓄積された膨大なデータを活用し、販促や経営戦略にいかすところにあります。ビッグデータの山からお宝を発見しましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

ビッグデータを活用すると自動車保険は細かな料金設定ができる

ビッグデータを活用すると自動車保険は細かな料金設定できる

ビッグデータを活用すると自動車保険は細かな料金設定できる

ビッグデータでは少しぐらいデータの精度がわるくても大勢に影響はありません。そのかわり「なんでもデータを取ろう」になりますのでデータを保存するためのサーバーやハードディスクに膨大な投資が必要となります。

アマゾンはビッグデータを活用し、ロングテールの商品を提供することで機会損失をなくし売上を上げています。またアクセスしてきたユーザの好みを分析し、そのユーザにとって興味がありそうな情報を選択、表示するレコメンデーションを提供して関連購買を増やしています。

→ Web2.0な日々 ロングテール理論
→ Web2.0な日々 レコメンデーションを活用

グーグルは位置情報を分析し、ユーザー近くのお店の広告をだしています。日本では政府が音頭をとって公共ビッグデータの民間への開放をすすめています。まずは各種統計情報や人の移動に関する情報、白書等の重点分野の情報などが開放され、経済波及効果を狙っています。

たとえば自動車保険は事故歴など等級制度によって保険料が変わりますが、ビッグデータを活用することで交通事故多発地域に住むオーナー向けの保険料を高くし、ほとんど事故がない地域は反対に下げるようなことができます。

車を運転した位置や時間帯までデータをとれば、前月の運転実績で保険料が変動するような自動車保険を販売することができます。地理情報や行動情報をリアルタイムに処理することで、新たな付加価値を生み出せるようになります。

ただふつうの会社では多額の投資ができませんので、ビッグデータの対比語であるスモールデータという言葉が使われだしています。スモールデータとは言葉どおり、データ取得をできるだけ少なくするという意味です。

顧客や市場特性を見極めて、仮説のもととなるデータを集めますが、いかに絞り込むかが勝負。データ量が少なくても、データをしっかりみることで、ロイヤルカスタマーは誰か、どんなマーケティングをすればよいか考えます。

データサイエンティストが注目を集めている

データサイエンティストとはデータという素材を加工する料理人のようなもの

データサイエンティストとはデータという素材を加工する料理人のようなもの

社内に蓄積されているビッグデータを、分析・加工して、意思決定に活用しようとする手法をBI(ビジネスインテリジェンス)と呼んでいます。データウェアハウスもビッグデータもBIの一つです。

経営幹部が、専門家に頼らず自分でビッグデータから売上分析、顧客動向分析などをおこない、経営計画などに活用することをめざしていますが、そう簡単にはいきません。最近、求人広告で目立ちだしたのがデータサイエンティストという職種。データ分析のスペシャリストです。

データサイエンティストとはビッグデータから、ビジネスで使える知見を引きだす専門家ですが、統計などさまざまな知識とそれらを組み合わせる力が必要です。必要となる知識は統計学や線形代数学などです。

また類似したものをまとめたり、傾向が同じグループを発見したり、明日の売上を予想したりする各種分析能力が必須です。

つまりデータサイエンティストとはデータという素材を加工する料理人のようなもので、なかなか人材がおらず、争奪戦になっています。

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