フレンチ/全国のフレンチ

世界NO.1の魚料理は軽井沢から!!(2ページ目)

フランス料理界のオリンピックというべく「ボキューズドール」で日本人として初めて表彰台に上り詰めた浜田統之シェフ。特に魚料理は群を抜いての第一位。日本の素材、アイデンティティが初めてフランス、いや世界で認められた瞬間だ。その輝かしき料理は軽井沢のレストラン、ユカワタンで8月末まで楽しむことができる。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド


世界一の魚料理

魚料理のテーマ素材は「ヒラメとオマール」。皿の上には椎茸の薄切りを鱗に見立て、オマールのムースを包んで柚子の香りの白ワインソースでアクセントをつけている。りんごを巻いたオマールとセロリと金柑のタルタルも組み合わせのアイデアが非常に面白い。しかし、審査員を驚かせたのは「美味しさ」「日本らしさ」を表現するために日本オリジナルでもある弁当箱に入れて用意したことだろう。
ユカワタン

これが世界最高評価を得た魚料理だ


カラマツ材の弁当箱に入れて、底に仕込んだ発熱材から湯気と共に柚子の香りが立ち上り温かい状態のままサービスされたところに「おおっ!」という驚きの声が上がったという。
ユカワタン

椎茸を鱗に見立てた緻密な仕事ぶりと独創性が評価されたかもしれない

肉料理のテーマ食材はアイルランド産牛肉。これを牛フィレ肉の岩塩包みに柚子の香りを。つけあわせに大根のコンフィに手毬フォアグラとトリュフの詰物などが添えられる。

中心にインパクトのある作品を添えて、周囲には主役を引き立てる役者を並べ、それらが有機的に組み合わされ、「料理」として運ばれる。
ユカワタン

赤身肉の旨味が加速するように拡がっていく

ユカワタンの夜はほんとうに心地良い。軽井沢のそれもホテルブレストンコートからも離れた一軒家のレストラン。料理はフランス料理だが、その空間は紛れもなく長野県軽井沢。この非日常感がさらに料理の味わいを深めていく。
ユカワタン

佐久で獲れる鯉のタルタル

ベタかも知れないがSAMURAIのイメージを作り上げ、他国との戦いを自らとの戦いと捉え、見事に銅メダルを勝ち取った浜田シェフ。長野県という海のない場所から世界一の魚料理を作り出したが、実は浜田シェフは漁港とゲゲゲロードで有名な鳥取県境港のお惣菜屋さんの出身だ。実に面白い話である。

ユカワタンで用意される今回の銅メダルを再現した料理は期間を延長し、8月末まで楽しむことができる。

さて、軽井沢はこれから賑やかな夏を迎える。

中軽井沢の星野リゾート周辺は、いつもニュースに溢れている。
ユカワタン

コンソメの旨味は深く深く記憶に刻まれる

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