これで納得!有給休暇の効果的消化方法

有給休暇の計画的付与制度で未消化有給休暇トラブルを回避しよう!

有給休暇の計画的付与制度で未消化有給休暇トラブルを回避しよう!

年次有給休暇は勤続期間の経過とともに付与日数が増加していきます。また未消化分は翌年度に限り繰り越しができますので、勤続が長いと最大「40日分」付与されている従業員も見受けられるところです。週休2日制が進んでいる状況下では、約2か月くらいは「有給」の休暇を取れることを意味することになりますね。

有給休暇は法的に従業員の権利として確立されています。企業側では請求されると、業務の正常な運営上を妨げる場合にはその時季を変更することはできますが、取得それ自体を妨げることはできません。トラブルの多くは退職時。残っている有給休暇を全て消化して退職を申し出られた場合です。

既出の記事「退職時の未消化有給休暇のトラブル防止策」で対策方法の概要をお伝えしたところですが、今回はより掘り下げた解説をいたします。それはズバリ「計画的付与」制度の活用です。以下で企業で応用できる詳しい具体例を挙げました。ぜひ自社で導入できそうな計画的な付与方法を見つけ制度化いたしましょう!

なお前提となる年次有給休暇制度の付与日数など、制度の概要は、既出の記事で再度確認をお願いします。

計画的付与制度ってどういうこと?

簡単に言うと、「有給休暇の取得時季を労使で取り決め、消化促進をしよう」という制度です。労使合意のもと、計画的に取得時季を明確化しておくわけですから消化が自ずと進みます。有給休暇取得には申請が必要ですが、この制度下では強制的に付与されることになるわけです。従業員側からすると気兼ねなく休めますね。企業として合法的に認められている制度を賢く利用しトラブルを未然に防いでいきましょう。

5日を除いた残りの日数が計画的付与の対象!

付与日数すべてを計画的に付与できるのか?疑問点もありますね。実は年次有給休暇の付与日数すべてで実施できるのではありません。すべての日数の付与時季を決定してしまうと、従業員の病気その他の個人的事由による取得ができなくなってしまうので、ある一定の日数を留保しておく必要があるからです。

具体的には年次有給休暇の日数のうち5日は従業員個人が自由に取得できる日数として必ず残しておく必要があります。この点が制度設計の留意点です。このため、労使協定による計画的付与の対象は年次有給休暇の日数のうち、5日を超えた部分になります。

(例示)
年次有給休暇の付与日数が、

10日の従業員に対しては5日、
20日の従業員に対しては15日まで 

を計画的付与の対象とすることができます。それぞれ5日分を留保したうえで、5日、15日の付与日を計画的に取り決めます。なお実務上では、年休の日数から5日を控除した日数が「5日」に満たない従業員に対しては、その不足する日数の限度で、特別に有給休暇を与えるなどして対応することが必要です。

また次年度に繰り越された日数分の取り扱いがどうなるのかですが、繰り越された年次有給休暇を含めて5日を超える部分を計画的付与の対象とすることができることになっています。

年次有給休暇の計画的付与方式

年次有給休暇の計画的付与制度の方式には次のような方式が考えられます。

(例示)
・事業場全体の休業による一斉付与方法、
・班・グループ別の交替制付与方法、
・年次有給休暇付与計画表による個人別付与方法 など

必ずしも一斉に付与する必要がない点がポイントです。応用が利く制度なので企業、事業場の実態に応じた方法を選択し導入できそうですね。またそもそも職務上、計画的付与制度になじまない従業員がいる場合には計画の対象者から除外して導入しても構いません。

次のページでは、計画的付与時季の様々なバリエーションを解説しています。