飛行機遅延や飛行機欠航は海外旅行保険で補償される?
飛行機は列車と比べると天候不順などの影響を受けやすいため、遅延や欠航が発生しやすい乗り物です。飛行機の遅延や欠航となると予定外の宿泊が必要になったり、その後のスケジュールに影響がでたり、さらにもろもろ費用がかかることもあります。海外旅行保険では、こうした飛行機遅延や欠航が原因で発生する一定の費用補償を付帯することができます。この補償を「航空機遅延費用」などといいます。海外旅行で珍しくない飛行機遅延や欠航の際に海外旅行保険(航空機遅延費用)での補償について解説します。
【目次】
海外旅行保険の航空機遅延費用とは?
航空機遅延費用とは海外旅行保険に付帯する補償の一つで、飛行機の遅延や欠航によって生じた費用をカバーします。通常は保険金の支払いに次のような条件があります。- 搭乗予定の航空機が6時間以上の出発遅延、欠航、運休があった場合、搭乗の予約受付の不備で搭乗ができなかった場合、または搭乗した航空機の着陸地変更で、6時間以内に代替の航空機を利用できない
- 搭乗した航空機の遅延、欠航、着陸地変更で乗継を予定していた航空機に搭乗できず、乗継地への到着時刻から6時間以内に代替の航空機を利用できない
また航空機の遅延や欠航によるものが対象のため、鉄道や船舶などは対象になりません。
具体的に航空機遅延費用で補償される内容・金額は主に下記のものです。
- ホテルなどの客室料
- 食事代
- 交通費(ホテルへ移動のためのタクシー代、航空機の代わりの他の交通手段の費用等)
- 国際電話などの通信費 など
航空機遅延費用の補償の使い勝手
飛行機をよく利用する人は経験があるでしょうが、天候不順などの理由で遅延や欠航が発生すれば、代替機への振替やチケットの払い戻しなどに航空会社が応じていることも珍しくありません。場合によっては系列のホテルの手配などもしてくれることがあります。比較的こうした対応をしてくれるケースも多いのです。実際にこうした手配がされて自分で負担した金額がなければ、条件を満たしていても航空機遅延費用は支払われません。
また保険金は数万円程度なので、高級なホテルに宿泊しても必ずしも実費が補償されるわけではありませんので、勘違いしないようにしてください。また6時間という制限もなかなか微妙な時間です。実際のこの補償の保険料も高くありませんから、何かあったときプラスαで何か役に立つことがあるくらいに考えておくといいでしょう。
航空機の欠航や遅延を証明することが必要
航空機の遅延や欠航について、口頭で説明するだけで海外旅行保険の請求ができるわけではありません。それを証明するものが必要です。遅延・欠航の証明書やホテルの宿泊など、負担した費用の領収書をとっておいてください。不明なことがあれば、電話をかけてこうした証明をするのに何が必要か聞いてしまいましょう。
クレジットカード付帯の海外旅行保険で航空機遅延費用は補償される?
クレカ付帯の海外旅行保険も以前より補償が充実しているケースも増えています。ただし航空機遅延費用については付帯されていないことの方が多いです。いくつかについて海外旅行保険に加入する場合と比較してみましょう。海外旅行保険に加入するケースでは10日間ハワイに行くとして試算しています。旅行日数や渡航先で保険料は違います。
上の表が海外旅行保険に加入した場合、下がクレカ付帯の海外旅行保険です。クレカの場合には保険料とは違いますが年会費がかかります。
それぞれ表の一番右が航空機遅延費用の補償です。
■海外旅行保険に新たに加入する場合の例
■クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する場合の例
航空機遅延費用にフォーカスしていますが、クレカ付帯の保険と比較するとこのように病気の死亡がなかったり微妙に差異があります。無料サービスなのである程度割り切りも必要でしょう。クレカ付帯の保険はすべてゴールドカードですが、これらのカードは補償がついている方だと考えてください。
航空機遅延の補償は6時間程度が目安といいましたが、これらのクレカ付帯の補償については4時間程度になっているものもあるので注意してください。
海外旅行保険の航空機遅延費用はあり?なし?
海外旅行保険の補償で航空機遅延費用は、病気や怪我による死亡や医療費負担、賠償責任、携行品などの補償に比べると絶対はずせない中心的な補償ではありません。そのため損害保険会社の商品にもよりますが、オプションで付帯しないとこの補償はついていない、あるいは設定そのものをしていないケースもあります。この補償の保険料について大まかな目安ですが、上記の比較表のハワイ10日間での海外旅行保険にこの補償をつけてプラス100円前後くらいです。ちなみに旅行期間が20日、30日になってもその差は何十円程度です。
一般的な休暇での海外旅行であれば、どうしようかと悩むような金額ではありません。あとは渡航先の情報などをよく収集して、旅行先で航空機遅延等が発生する状況なども確認してみましょう。
2万円程度の保険金ならそもそも自分で支払える範囲と考えるか、このくらいの保険料なら別にあっても構わないと考えるかです。保険料差が気にならなければ航空機遅延費用が支払われるための要件をチェックして補償を付加しておくといいでしょう。
日本の航空会社などだと欠航や遅延となったとき、代替機への振替やチケットの払い戻しをしてくれたりしますからこうしたことも考慮しておきましょう(但しあくまで航空会社のサービスで絶対ではありません)。
付帯していない可能性も高いかもしれませんが航空機遅延費用が、自分のクレジットカードについているか、海外旅行保険の範囲に入っているかどうかチェックしておきましょう。
※補償内容等については契約先によって異なることがあるので、保険会社・カード会社に必ず確認してください。
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