歌舞伎の愉しみ方や、女形から学べる所作、そしてリニューアルした歌舞伎座の情報など、貴重なお話が満載の「大向こうから学ぶ 一歩先ゆく歌舞伎鑑賞 前編」は →こちら
気をつけたい 装いマナー
歌舞伎鑑賞、何を着ていきますか?
まずは、歌舞伎鑑賞の装いマナーからお伺いできますか?
堀越氏:
ドレスコードなど決まりはないのですが、“大切な人と会っても恥ずかしくない恰好”で……と考えます。ですから、サンダルや短パンではふさわしくありませんね。
諏内:
清潔で小ぎれいなスタイルであればジーパンでも大丈夫ということですね。
堀越氏:
はい。でも、浴衣はやめていただきたい。
諏内:
浴衣はねまきと見なされますものね。では、和装の着こなしで注意するべきことは?
堀越氏:
女形に倣ってか、襟を抜き過ぎるのもいただけない。
諏内:
確かに、襟は抜き加減によって、上品にも粋にも下品にも見えますから、気をつけたいですね。
堀越氏:
それから、高さのあるアップヘアは桟敷席以外では迷惑になります。また、椅子に深く座れないような華やかな帯結びも、うしろの方が観づらくなってしまいます。
諏内:
背中にバッグや荷物を置いて浅く座ったり、熱中して前のめりになるのもNGですね。
上演中のマナー
心得たい歌舞伎鑑賞のマナーとは?
上演中に気をつけるべきことを教えてください。
堀越氏:
当たり前と思いがちな携帯マナーですが、たとえマナーモードにしてあっても、アラームや電池切れ警告音が鳴ってしまうことが少なくないのです。
諏内:
それは気をつけたいですね。やはり電源を切っておくのが一番でしょう。
堀越氏:
そうですね。それから、解説を聞くのにおすすめの『イヤホンガイド』ですが、この音漏れも気になるんですよ。
諏内:
確かに、イヤホンをなさっていない方には耳障りですね。
お弁当のマナー
諏内:歌舞伎は席でお弁当をいただく、という独特の風習がありますね。
堀越氏:
休憩時間に召し上がっている方がほとんどですが、実は、芝居を見ながらでもいいんですよ。ただし、箸を遣うのは野暮。稲荷寿司やサンドイッチのように手でつまめるものにしてください。また、匂いの少ないものを選ぶのもマナーです。
諏内:
なるほど。その際、お弁当を入れたビニール袋の音にも気をつけたいですね。
堀越氏:
風呂敷に包みなおして持参すると粋ですよ。
諏内:
それ、素敵ですね!
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