暮らしのマナー/マナー・作法関連情報

大向こうから学ぶ 一歩先ゆく歌舞伎鑑賞 後編(2ページ目)

「大向こうから学ぶ 一歩先ゆく歌舞伎鑑賞 前編」に引きつづき、『大向こう』堀越氏の視点から、通常の観劇マナーを超えた上級鑑賞マナーのお話を伺いました。

諏内 えみ

執筆者:諏内 えみ

暮らしのマナーガイド



その他、知っておきたいマナー

1. 開演前や休憩時、役者さんについてのテレビや週刊誌の芸能ネタ、うわさ話をなさるのは格好いいとは言えない。よく耳にするのでご注意を。

2.前後左右で困った方がいた場合は、直接言うのではなく、案内さんに注意してもらって。ワンクッション挟んだ方がスマートで、なおかつスムース。

3. 三味線の早弾きなどの見せ場では、一番いいところで拍手をしないで。ちゃんと聴き終ってからするのが礼儀。

もしも時間に遅れたら?

諏内:
劇場の到着時間については?
堀越氏:
10:30開場、11:00開演の場合は、10:40頃に着くのがいいでしょう。開場時間ジャストの10:30はかなり混雑するので避けた方が無難です。
諏内:
万が一、開演時間に遅れた時に気をつけることはありますか?
堀越氏:
座っている方の前を通ったり、立っていただいて自分の席に着く際、「すみません」の気持ちは声に出さずジェスチャーで示すようにしてください。そして休憩時に、「先程は失礼いたしました」と改めてお詫びする方が素敵ですよ。
諏内:
確かに、そういう方の方が品よく映りますね。
堀越氏:
もしくは、休憩になるまで後ろで立ち見をなさったり、案内さんに告げて、空いていたら後ろの方の席に着かれる……など、気遣いができるといいですね。逆に、終了前や幕が閉まったらすぐに退席しなければならない場合も、後ろの空いている席でご覧になるといいと思います。
諏内:
そのように、周りへの気遣いが自然におできになると素敵ですね。たくさんの貴重なお話をありがとうございました。


歌舞伎の愉しみ方や、女形から学べる所作、そしてリニューアルした歌舞伎座の情報など、貴重なお話が満載の「大向こうから学ぶ 一歩先ゆく歌舞伎鑑賞 前編」は →こちら


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大向こう堀越氏

大向こう堀越氏

堀越 一寿プロフィール
歌舞伎大向弥生会 会員
オールアバウト 歌舞伎ガイド
幼少から歌舞伎に親しみ、25歳頃から声を掛け始める
1998年、歌舞伎大向弥生会会長から認められ同会初、二十代での会員となる
故・十八代目中村勘三郎より絶大な信頼を得、親交も深かった
著書 『大向うとゆく平成歌舞伎見物』 /PHPエル新書 (ペンネーム 樽屋壽助)
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