フィンランドは、地域ごとにとっても表情豊か
フィンランド中東部にかけて広がる湖水地方の都市は、無数の森と湖とのあいまにひっそりと拓けている
フィンランドの国土面積は、33万平方キロメートルあまり。日本から九州8県を差し引いた面積とほぼ同じです。地図を見てみると、スウェーデン(やボスニア湾)とロシアとに挟まれたクリスマスソックスのような形の本土と、領海に浮かぶ無数の小さな群島とで形成されているのがわかります。最北部は北極海に面しているというイメージを抱いている方がときどきいますが、北の境はノルウェーの国土に接しているので、北極海までは繋がっていません。
北極圏では夏場の太陽は沈むことなく、夕日がいつの間にか朝日となってふたたび昇り始める
一口に北国といっても縦長の地形をしているので、日照時間(白夜や極夜への移行具合)は、実は国内でも緯度の変化によってかなり差があります。気候条件も概して北上するほど極端になりますが、例えば海流に面しているか内陸かという地理的な要因によっても、気候や風土は大きく左右されます(くわしくは、
フィンランドの四季・気候と服装アドバイスを参照ください)。
また、スウェーデンとロシアという、まったく異なる文化・社会背景を持つ国に挟まれた国土だけに、歴史的にそれぞれの影響が及んだ西部と東部で、街並みや文化が大きく違ってみえるのもフィンランドという国の面白いところです。
このように、意外にも広大で多彩なフィンランド国土。日本の県にあたる地方行政区画としては、2013年5月現在全25県に区分されています。けれど観光者にもよりイメージしやすいよう、その地理的な特色で大別するならば、大きく4つのエリアに分けることができます。
ヘルシンキと首都エリア
アクティブに観光やショッピングを満喫しながらも、緑に囲まれていてゆったりできる首都エリア
フィンランドの首都圏を形成しているのは、首都ヘルシンキと、その衛星都市として周囲を取り囲んでいるバルト海沿岸の諸都市。カルチャー・グルメ・デザインなどの最新トレンドを発信し続ける一方で、美しい自然が身近にあり、忙しない印象を与えないのもフィンランドの首都エリアならではの魅力。ヘルシンキから日帰りで訪れて楽しめるユニークな小都市もたくさんあります。
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フィンランド湖水地方
湖水地方を列車で移動していると、どこまで行っても森と湖が折り重なる光景が続く
フィンランドのイメージといえばやっぱり森と湖。そんな原風景に出会いたければ、首都圏から少し北上して、中東部一帯を占める湖水地方へ。都市のそばであってもイメージ通りの美しい風景が見られます。またロシア寄りの東部地方は、歴史的にフィンランド民族文化の真髄を育んできた地域。お喋り好きで郷土愛の強い人々との交流も魅力です。
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バルト海・ボスニア湾の沿岸地域と群島
要人や文化人のリゾート地としても人気の沿岸エリアでは、夏場はセイリングなどのアクティビティが人気
西の古都トゥルク周辺のバルト海沿岸都市や、ボスニア湾に面する西部の諸都市、そして湾の入口部に無数に集まった群島。これらのエリアに共通するのは、海風のそよぐおおらかで清々しい雰囲気と、歴史的にスウェーデン側から受けた影響が今も色濃いということ。西方の文化が香り、フィンランド語とスウェーデン語が交互に耳に入ってくるさわやかな海辺エリアです。
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フィンランド・ラップランド地方
冬のラップランドは、景色すべてが純白の雪と氷に閉じ込められていて息を呑む美しさ
太陽が地平線下に沈まない白夜が訪れ、伝統的に少数民族サーミ人たちが暮らしてきた北極圏一帯のことを、北欧諸国ではラップランド(Lappi)と呼びます。冬にはオーロラのたゆたう極北の息を呑む大自然や、自然の恵みがいっぱいの素朴な郷土料理、そして厳しい環境下で育まれてきた独特の文化や生活スタイルを、心ゆくまで満喫できます。
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