民間の保険は不妊治療費用に使える?

保険には入れるかな…

保険には入れるかな…

保険会社が第3分野(医療保険や介護保険など)において、保険金や給付金を支払う条件の1つとして「人が疾病に関して治療を受けたこと」という条件があります。ですが、不妊治療が“疾病の治療”にあたるかどうか不明確だったため、不妊治療費用を補てんする給付金は支払われませんでした。

アメリカやドイツでは不妊治療費を保障する医療保険商品が存在するとのことですし、イギリスやフランスにおいては不妊治療が公的医療保険の対象となっているとのことです。日本では不妊治療費用に対して給付金は支給されないのにも関わらず、不妊治療中であることを保険会社に告知すると保険に加入できなかったり、加入できても割増保険料を支払うケースも多いのです。

一方、不妊治療中でも入れることを明言している短期少額保険があります。アイアル少額短期保険の「子宝エール」は不妊治療中の女性を対象としている医療保険です。帝王切開を含む4つ特定の疾病の医療費用に関する給付金などは支給されませんが、それ以外の疾病の医療費用に関する給付金は支給されるという保険です。不妊治療費用そのものを補てんする保険ではありませんが、不妊治療特約をつけられます。不妊治療終了後も特約をはずし、普通の医療保険として継続できるそうです。

不妊治療で税金は軽減される?

さて、高額な治療費がかかるにも関わらず民間の保険加入が難しく、国の助成金も限られている不妊治療ですが、税金は優遇されたりしないのでしょうか?

医師による診察や処方があれば、不妊症の治療費及び人工授精、体外受精及び顕微授精の費用及び薬の費用は、これらの費用から国や自治体の助成を差し引いた額が医療費控除の対象となります。医師にかかったのであれば、ぜひ不妊治療費用や薬の費用の領収書を取っておいて、確定申告や還付申告を利用しましょう。

不妊治療費用助成・保険にかかる最新の動向

体外受精など特定不妊治療の費用助成の在り方を議論する厚生労働省の有識者検討会が平成25年5月2日、省内で初会合を開きました。厚生労働省研究班のデータや報告に基づき、年齢制限を設けることや受給年数を減らす意見なども出されました。厚生労働省では省内で議論を重ね、夏までに中間報告を出したい考えとのことです。

国の助成に関して、年齢制限や助成回数、年数がどうなるかわからないことと引き換えでしょうか、金融庁が不妊治療に民間の新保険を本格検討しています。

平成25年4月19日付金融庁説明会資料では、「原因が特定できない不妊の治療費を保障する保険については、一定の需要が見込まれるとともに、社会的意義もあると考えられる」とあり、金融庁は日本においても不妊治療の費用を保障する保険商品の販売を認めているとも言えます。

しかし、データ収集が困難であるなど課題もあり、保険契約を結んだ後、一定の期間は保障の対象外とすることや、保険金の給付回数や給付金額の上限を設けることなども検討されているとのことです。ただし、「商品が過度に複雑になり、利用者にわかりにくくならないよう留意する必要がある。これらの課題に対応した上で保険会社による実際の商品化・引受が行われる必要がある」ともあり、保険商品化にはまだ話し合いが続きそうな様子です。

首相諮問機関の金融審議会でも平成25年4月に審議されており、将来は保険業法改正を目指すとのこと、来年の通常国会への提出を視野に入れているとのことです。

実際に不妊治療費用に対応した保険商品が登場するのは数年先になりそうです。医療保険や終身保険に不妊治療特約などをつけた形になるのでしょうか? 利用者にとって使い勝手の良い保険商品が実現することを願っています。


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