金魚の問屋さんってどんなところだろう?
だいぶ以前、金魚の産地・弥富(愛知県)の金魚問屋さんを訪れたことがあります。今回は金魚好きでもなかなか訪れたことはないであろう、金魚の問屋さん。そして、金魚が私たちのもとに来るまでの流通をご紹介します。
金魚の競り(金魚の卸売市場)
金魚の競り場(この競り場は、九州の金魚産地・長洲にある競り場の画像です)
まず、金魚は養魚場で生産されますが、金魚は問屋さんにくる前に競り(せり)にかけられます。年間5000万匹の金魚が取り引きされるという愛知県弥富市では3箇所の卸売市場があるそうで、金魚の出荷の最盛期である5月から8月の期間中は週に何回もせり市が開かれているとのこと。金魚の競りは、舟(ふね)と呼ばれる木でできた箱が浮かべられ、その中に金魚が入れられ、落札されていきます。そうやって養魚場で生産された金魚たちは、卸売市場の競りを経て金魚の問屋さんへと移ります。
金魚の問屋さんのなかはどうなっている?
金魚の問屋さんの池。仕入れた金魚はこの池から出荷される
金魚の大手問屋・株式会社ミワ
私が訪れたのは弥富町でも大手の問屋である株式会社ミワさん。全国でもトップクラスの金魚の出荷量を誇る問屋さんです。株式会社ミワさんは、もともとは金魚の養魚をやられていた生産者だったというだけあり、広い敷地にたくさんのストック池がありました。別の場所にはさらに広大な池があるそうです。弥富にある多数の養魚場の生産者から仕入れた金魚は品種ごとに管理され、全国へと出荷されていきます。生産者、問屋さん、小売店、エンドユーザー(金魚で言ったら私たち飼育者)という流通の流れは、生き物である金魚であっても変わりません。
金魚の梱包・出荷
金魚を小売店へ出荷するための梱包作業風景
金魚問屋さんの出荷風景
では、金魚は問屋さんからお店へは、どんなふうに出荷されていくのでしょう。
出荷される金魚たちは、ストック池から移され、種類ごとに円柱状の小さな金網に入れられていました。それを発送単位ごとに子分けし、バケツに分けて準備完了。発送作業に入ります。その後、大きく頑丈な透明のビニール袋に金魚と酸素を十分に入れ、そのビニールをダンボールに入れて梱包します。
出荷を待つ積み上げられた弥富金魚
専用の梱包機も使い手際よく箱詰めされ、金魚が入り発送準備完了のダンボール。それらの段ボールは次々と積み重ねられていました。
こうして弥富の金魚たちは全国の観賞魚店へと旅立っていき、やがてはこれらの金魚にとっての定住の地、我々金魚飼育者のもとへと行き着くのですね。