リーダーシップ/リーダーシップ活用事例

リーダー不在のリーダーシップ-イチロー選手の教え(2ページ目)

リーダーとメンバーとの間で技量や経験の差があった場合、トップダウン形式が求められます。大学の体育会や高校の部活動は学年でのレベル差が存在するので、上級生が下級生を指示命令していくリーダーシップスタイルを執ります。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


イチロー選手の観察眼とリーダーシップ

質問力の高い組織は自律した強い組織といえるだろう

質問力の高い組織は自律した強い組織といえるだろう

イチロー選手は自分からは指示したりアドバイスを与えることはしないと言われています。聞かれたことに対してはアドバイスするそうです。かつて、シアトルマリナーズで同僚だった城島選手は「自らコメントされることはないが、自分が聞いたことに対しては事細かく観察されており、的確にアドバイスをしてもらった」と言っています。

リーダーとして的確な指示を与えるためには、自分自身の能力向上だけでなく、他のメンバーのことも細かく観察し、相手が困っている時にきちんとアドバイスができるようにしておくことも重要なことです。

イチロー選手は冷静な眼で自分のみならず他者も観察しているのです。観察と言う言葉から、ガイドの私が在籍していたIBMの社是、THINK(考えよ)を思い出しました。実はTHINKの前にはREAD→LISTEN→OBSERVE→DISCUSSがあり、「考える」前提として「観察する」ことが挙げられています。観察することは非常に重要なことがお分かりになろうかと思います。

質問力は自律した組織のバロメーター

職人の世界でも確かに自分から指示することはないが、質問されたことに対してはアドバイスを与えるということを聞いたことがあります。質問するということは目的意識があるからこそ質問をされるのです。セミナーや講演会でも質問される人は目的意識があるからです。

目的意識は目的地(ビジョン、自らのゴールイメージ)が明確になっているから、目的意識があると考えられます。つまり、そういう質問が飛び交うような組織はメンバーが自律した強い組織と考えられるのです。

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