名所・旧跡/関西の名所・旧跡

吉野さくら散歩・夢心地の桜と名所を訪ね歩く【奈良】(5ページ目)

遥か昔より、修験道の霊場として信仰を集め、南北朝時代には南朝の朝廷が置かれたり、戦国時代には豊臣秀吉が優雅な花見を楽しんだことでも知られる吉野山。世界遺産にも登録された歴史ある地は、春の訪れと共に麓から山へ移りゆきながら桜が花を咲かせる夢心地の風景を楽しめる場所でもあります。今回は吉野さくら散歩と題して、吉野山の素敵な桜の風景を歴史に縁の深い名所と共に歩いてみましょう。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド


【奥千本】喧噪とは無縁の世界、静かに桜を楽しむ

高城山展望休憩所からの眺め

高城山展望休憩所からの桜越しの眺め(2007年4月14日撮影)

高城山展望休憩所へ向かう坂道と桜

高城山展望休憩所へ向かう坂道の上からの眺め(2007年4月14日撮影)

吉野の桜と名所を訪ね歩く「吉野さくら散歩」、最後は奥千本です。

上千本から奥千本までの間は、まわりに自然以外のものがないハイキングコースを歩きます。桜の木の数も少ないため、時間の都合で上千本まで来て折り返す方も多いようで、ここまで来ると人出も少なくなりますね。

奥千本へ上る道の途中で訪れたいのは、高城山展望休憩所(Yahoo! 地図情報)。高台にあり、葛城山や遠く二上山(にじょうざん)まで望むことができます。休憩所の周囲には桜の木もあり、花が咲いていれば桜越しの展望を楽しめますよ。

 

義経ゆかりの史跡が残る金峯神社

奥千本口から金峯神社、西行庵への道が分かれる

奥千本口で金峯神社(左上)、西行庵(右上)へ道が分かれる。金峯神社へ向かう道は、大峯奥駆道の一部です(2007年4月14日撮影)

高城山展望休憩所からハイキングコースを歩いていくと、奥千本口バス停の先で道が分かれます。右は西行法師が吉野に来て居を構えていた西行庵、鳥居のある真ん中の坂道が金峯神社(きんぷじんじゃ)へ向かう道です。

どちらも急な上り坂が待ち構えているのが一目でわかりますが、そもそもここまでの道は、大峰山で修験道を極めようとする人たちが、修行の道として歩いたとされる大峯奥駆道(おおみねおくがけみち)の一部。ゆっくりと足を地につけて坂を上りましょう。

 

奥千本・金峯神社と桜

奥千本・金峯神社と桜(2007年4月14日撮影)

坂を登り切った所にある金峯神社Yahoo! 地図情報)は、吉野山の総地主として金山彦命(かなやまひこのみこと)を祀る神社です。ここも世界遺産に登録されています。

吉野で一番遅く桜の木が花開く時、境内はにぎやかになりますが、下千本、中千本、上千本と比べると人出は少なく、ゆったりとした気持ちで桜のある風景が楽しめます。

 

金峯神社・義経の隠れ塔

金峯神社境内にある義経隠れ塔(2007年4月14日撮影)

そして、金峯神社の本堂の左下には義経隠れ塔があります。この塔は大峰山の修行場の一つで、ここに隠れていた源義経が追っ手から逃げるために屋根を蹴破ったといういわれがあったとのこと。

義経隠れ塔近くの展望スペースからは、お天気が良ければ、遥か遠くになってしまった蔵王堂や、葛城山なども見えますので、足を伸ばしてみるのも良いでしょう。

 

さて、下千本から奥千本まで吉野の名所と桜をご紹介しましたが、一番気になる桜の見頃はいつ頃なのでしょうか。各エリアの標高の関係を紐解いた上で、次ページにて説明しましょう。
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