名所・旧跡/関西の名所・旧跡

吉野さくら散歩・夢心地の桜と名所を訪ね歩く【奈良】(4ページ目)

遥か昔より、修験道の霊場として信仰を集め、南北朝時代には南朝の朝廷が置かれたり、戦国時代には豊臣秀吉が優雅な花見を楽しんだことでも知られる吉野山。世界遺産にも登録された歴史ある地は、春の訪れと共に麓から山へ移りゆきながら桜が花を咲かせる夢心地の風景を楽しめる場所でもあります。今回は吉野さくら散歩と題して、吉野山の素敵な桜の風景を歴史に縁の深い名所と共に歩いてみましょう。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド


【上千本】美しい庭園の桜と、ヤマザクラに覆われた吉野を一望する

桜本坊の桜

桜本坊(さくらもとぼう)の桜(2008年4月4日撮影)

吉野の桜と名所を訪ね歩く「吉野さくら散歩」、続いては上千本です。中千本の勝手神社近くの三叉路から右手にある急な上り坂を歩いて上千本へ向かいます。

上り坂の先にある宿坊の桜本坊(さくらもとぼう)や旅館の竹林院(ちくりんいん,Yahoo! 地図情報)などでは、桜が咲いている風景を楽しむことができますよ。

 

竹林院群芳園の桜

竹林院群芳園の桜(2008年4月4日撮影)

竹林院の門

竹林院の門。右手に「大和三庭園の一」の石碑が見えます(2008年4月4日撮影)

特に竹林院の庭園、群芳園(ぐんほうえん)は、千利休が豊臣秀吉の吉野の花見にあわせて造ったといういわれがあり、大和郡山の慈光院(じこういん)、葛城の当麻寺(たいまでら)中之坊とあわせて大和三庭園の一つに数えられています。

有料での観覧が可能で、春は花を咲かせた桜が庭園の魅力をさらに引き立てていますよ。

 

坂道を上りながら、桜が咲く風景を満喫

上千本の桜(1)

上千本の桜より(2008年4月4日撮影)

竹林院群芳園の先へ進むと、奥千本へ向かう道と、上千本の上の方に位置する吉野水分(よしのみくまり)神社へ向かう道に分かれていますが、桜を堪能するため、吉野水分神社を目指す方向へ歩いて行きます。

ここからしばらくの区間は急な上り坂が続きますので、息切れしないようにゆっくり歩いていきましょう。

 

上千本の桜より(2)

ヘアピンカーブのまわりに広がる上千本の桜(2008年4月4日撮影)

上千本の桜(3)

ヘアピンカーブのまわりに広がる上千本の桜(2008年4月4日撮影)

しばらく坂道を歩いていくと、山間で良く見かけるヘアピンカーブが出てきます。このあたりはヤマザクラがたくさん咲いている場所であり、最盛期は桜のトンネルとなって訪れた人たちの目を楽しくませてくれます。

一目千本から遠くに望んだ山の桜の真下に来ていると思うと、良く歩いたなぁ……という実感が湧いてきます。

 

桜と共に吉野山を一望できる花矢倉展望台へ

上千本・花矢倉展望台から桜と共に中千本、下千本を望む(2)

上千本・花矢倉展望台から、桜と共に中千本、下千本を望む(2007年4月14日撮影)

ヘアピンカーブの坂を上った先にあるのが、花矢倉展望台(Yahoo! 地図情報)です。

ここからは、下千本の金峯山寺・蔵王堂を含めて、吉野山を一望することができます。

もちろん桜の時期は、ヤマザクラが山を覆う様子を見下ろせます。歩いた距離や標高差がここからの眺めではっきりと自覚できることでしょう。

 

さらに坂道を上り、吉野水分神社へ

吉野水分神社(1)/桜と共に

吉野水分神社と桜(2007年4月14日撮影)

吉野水分神社(2)

吉野水分神社と桜(2007年4月14日撮影)

上千本では標高の高い位置にある吉野水分神社Yahoo! 地図情報)。

下千本の吉水神社と共に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されており、豊臣秀頼が再建した社殿など、貴重な桃山様式の重厚な建物と桜のコラボレーションを楽しめます。

境内に咲く桜の美しさがひときわ引き立ちますね。

 

いよいよこの先は奥千本に向かいます。吉野で最も遅く桜が咲く風景とは、どのような風景でしょうか?次ページに続きます。
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