自殺につながる問題を外していく
すべてが解決できなくても、他の問題が改善、解決できれば自殺のリスクを防げる
たとえば、失恋のショックで自殺した人の場合、「失恋」そのものを解決することはできなくても、その人が抱えている他の悩みや問題を探し、それを改善、解決するように働きかけていけば、自殺を防げることになります。
失恋のショックを抱える人の悩みは、人それぞれですが、たとえばこんな悩みや問題を抱えていたのかもしれません。
(例)
・心を開ける人がいない孤独感
・心の病
・親との関係の不和
このように、すでに他の悩み、問題のベースにあったからこそ、失恋という大きなショックが加わったときに、「もう生きていても仕方がない」という気持ちに追い込まれてしまった、という可能性もあります。
「生きたい」気持ちに注目してサポートする
「本当は生きていたい」と誰もが思っている
そこで、必要になるのが周りの人の気づきとサポートです。「ちょっと心配だな」と気づいたときに、声をかけて、その人の話を聞いてみましょう。なかなか口を開いてくれないことが多いですが、最初はそれでもいいのです。心配していること、気持ちに寄り添いたいことを伝えていきましょう。「いつでも話を聴く準備がある」という意思を継続的に示すだけでも、相手は安心できます。そして、いずれは少しずつ心を開いてくれることも、期待できます。
自殺を考える人は、「本当は生きたい」と思っています。抱えている悩みが受け止められたり、解決できると分かれば、本当は生きていたいのです。「生きたい」という気持ちに注目し、その人の背景にある自殺につながりやすい複数の問題に気づいていくこと。そして、相手の気持ちに寄り添い、それらの問題の改善や解決を一緒に考えていくこと。この2つが、とても大切になります。
時間がかかるかもしれませんが、その人の抱える問題を一つずつでも改善、解決していけば、「死ぬしかない」という気持ちも、次第に解けていくと思います。