自殺した人は何に悩んでいたのか?

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仕事、育児、失恋・・・・・・自殺をした人の悩みは本当にそれだけなの?

悩み抜いた末に、抱えている問題を生命を絶つことで解決するのが、「自殺」。身近に自殺者が出ると、周りは、「あの人は、何に悩み、苦しんでいたのだろう」と考えます。

「忙しくて、仕事に追われていたからね」
「子育ての悩みを抱えてたんじゃないかしら?」
「失恋のショックかもしれないね」

生前の様子を思い浮かべ、こんな風に語り合うことも多いでしょう。しかし、人は単一の悩みで自殺をするとは考えにくいものです。いくつかの悩みが重なり、複雑に絡み合い、自分ではどうしようもない状態に追いつめられた結果、「もう死ぬしかない」という気持ちにとらわれてしまうのではないかと思います。

その人の抱えている問題はいくつ?

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人には言えないいくつもの悩みを抱えていたのかもしれない

では、自殺をする人はいくつくらいの悩みを抱えているのでしょうか?

自殺対策支援に取り組むNPO法人ライフリンクが、523人の自殺者の遺族への実態調査を行った結果、自殺をした人は、平均3.9の危険要因を抱えていたことが分かりました。つまり、自殺を考える人は4つくらいの悩みや問題を抱えている、ということになります。

「忙しくて、仕事に追われていた」という人は、「多忙」という仕事の問題の他にも、3つくらいの問題を抱えていたのかもしれません。職場の人間関係やノルマなど、仕事に関する悩みがいくつも重なっていたのかもしれませんし、家庭の不和や心の病があったのかもしれません。「子育ての悩みを抱えていた」という人は、「育児」という問題の他にも、夫婦の不仲、友だちがいない、お金の問題など、いくつかの問題が重なっていたのかもしれません。

人は、悩みがいくつも重なると、冷静で合理的な考えができなくなってしまうものです。周りは、「1人で抱えることはなかったのに」「死ぬくらいなら、別の道だってあったのに」と思うかもしれません。本人は複合的な悩みに押しつぶされ、1人で悩んでいるうちに、「解決には死ぬしかない」という状態まで、思い詰められてしまうのです。