パン/パン業界情報、イベント

第1回ベーカリージャパンカップ(3ページ目)

史上初となる全日本製パン技術選手権大会、BAKERY JAPAN CUP(ベーカリー・ジャパンカップ)の決勝戦がMOBAC SHOW(国際製パン製菓関連産業展)会場で開催されました。日本ならではの調理パン、菓子パン、国内産小麦のパンの作品が競技されました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド


国内産小麦パン部門

「国内産小麦のおいしさを伝える、食事としてふさわしい、国内産小麦粉を50%以上使った食パンとぶどうパン」が課題となった国内産小麦パン部門の最優秀賞は、株式会社久遠(静岡県熱海市)の武山陽司さんでした。武山さんは昨年のパングランプリ東京2012でも受賞をされています。
武山陽司さん

武山陽司さん

少量のイーストに発酵種を併用することで小麦粉の旨味を引き出す工夫、シンプルで飽きのこない味を目指した武山さんの作品は、食事にふさわしいパンとして評価されました。地元熱海にゆかりのある麦こがしや橙(だいだい)を使用、熱海の観光地としての宣伝にもつながればという武山さんの想いが表れたパンとなりました。お店での販売もあるそうです。

■麦こがしと黒糖の食パン(263円)
麦こがしと黒糖の食パン

麦こがしと黒糖の食パン

副素材もすべて国内産。湯種の製法でもちもちした食感、麦こがしと相性の良い黒糖を使用した食パン。天狗の焼き印がユニークです。

■レーズンと熱海橙の田舎パン(158円)
レーズンと熱海橙の田舎パン

レーズンと熱海橙の田舎パン

国内産レーズンは高額なため断念するも、そのほかすべて国内産素材で作られています。地元の橙の蜜漬とレーズンが香るシンプルなパンでした。

これらのパンは「パン樹 久遠」(住所:静岡県熱海市田原本町7-3 TEL:0557-81-3310にて販売になるそうです)。
武山陽司さん

武山陽司さん

ベーカリージャパンカップにおける日本一のパン屋さんとは

今回の審査では課題が反映されているかが重要なポイントとなりました。順位は目的があって初めて決まるもの。コンテスト前日には審査委員全員での目的の共有が確認されました。

ベーカリージャパンカップというコンテストでは日本のパン産業の活性化、リテイルベーカリーを盛り上げていくのにつながる、お客さんによろこんでもらえるパン屋さんであることが評価ポイントとして重視されました。

ガイドの個人的な感想では、ここでご紹介した以外にも、目を見張るような新しいかたちのパン、製法について素材についていろいろインタビューしてみたいパンがいくつもありました。そして日本ではもっともっと、たくさんのパン屋さんがたくさんのおいしいパンを日夜作られていると思います。今後より多くの製パン技術者の参加が望まれると思います。

※上記データは記事公開時点のものです。
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