ハンザ同盟都市として栄えた、長い歴史文化の香る古都トゥルク
街の中心を流れるアウラ川は、冬には凍結して雪を被り、夏と違った表情を見せる。国教ルーテル教会の総本山でもあるトゥルク大聖堂は、古都の長い歴史を物語る街のシンボル
アウラ川の上流域は、街の賑わいから外れた静かな散歩道となっている
また中世には、バルト海沿岸の諸都市間で結ばれた交易同盟である、ハンザ同盟の主要都市としても賑わいを見せたといいます。港へと注ぐ穏やかなアウラ川の運河が街の中心部を貫いており、そのほとり界隈に今も昔も中心街が栄えています。現在では、川辺にいくつものレストラン船が停泊していて、緑の美しい夏場は日の暮れぬ夜まで飲食や日なたぼっこ、散策を楽しむ人たちであふれます。
街を歩き回っていると、タイムトリップしたような路地に迷いこむことも
けれど、何度も修復を繰り返されながら今日まで守ってこられた大聖堂の荘厳な姿や、かつて重要な軍事要塞であったトゥルク城など、スウェーデンの洗練された社会文化の影響を直に受けた西部の古都ならではの高貴で美しい街並みは、今も顕在しています。トゥルクは観光者にとって、ムーミンワールドのあるナーンタリに行くための経由地になってしまうことも多いのですが、ヘルシンキとは一味違った歴史的観光スポットも多いので、ぜひじっくりと立ち寄る時間を設けたいところです。
市街移動の拠点は、露店で賑わう屋外マーケット広場
ショッピングモールやロシア正教会などに囲まれた屋外マーケット広場は、各観光スポットへのバス・徒歩移動の拠点とするとわかりやすい。近くには屋内マーケットホールも
マーケット広場の周囲には、各方面行きのバスターミナルがずらりと並んでいるので、郊外の観光スポットや、ムーミンワールドのあるナーンタリに出向く際は、ここから目的のバスに乗車します(各バスの停車位置はばらけていて少々ややこしいですが、看板に明確に示してあります)。広場から少し歩けば、まもなく中心街を貫くアウラ川のほとりに出ることができ、そこから大聖堂までも徒歩移動が十分可能です。
なお、2017年8月にはこのマーケット広場周辺で無差別殺傷テロが発生し、数名の犠牲者がでました。広場は元の日常を取り戻しつつありますが、警備が強化され、また現在でもキャンドルや花を手向けにくる人が絶えません。
港のそばで歴史ロマンを語り継ぐ古城、トゥルク城
アウラ川河口に佇むトゥルク城は、何度も増築や修復が繰り返されたので、見る角度によって建築素材や様相がまったく変わるのがおもしろい
往時に礼拝堂として使われていた簡素な部屋も、雰囲気をそのままに公開してある
内部は現在、ミュージアムとして一般公開されており、歴史を紹介する展示だけでなく、実際に利用されていた城内の各施設や部屋を、実際に隈なく歩いて見て回ることが可能です。きらびやかなイメージのお城とは一風異なった独特の暗がりの雰囲気と、歴史の重みを実感してみてください。
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■Turun linna(トゥルン・リンナ)
住所:Linnankatu 80, 20100 Turku
TEL:+358 2 262 0300
アクセス:マーケット広場から市バス1番で10分「Turunlinna」下車すぐ
開館時間:火~日曜10:00~18:00
休館日:月曜(夏季は毎日開館)
入場料:10ユーロ(学生5ユーロ)
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