フィンランド/フィンランド沿岸地域と群島

西の古都トゥルクのおすすめ観光スポット10選(3ページ目)

スウェーデン統治時代の首都であり、ハンザ同盟の主要都市としてヘルシンキよりも長く歴史を刻んできたフィンランド南西の街、トゥルク。幾度も戦火にのまれ街並みは一変しましたが、スウェーデンの影響を色濃く受けた大聖堂や古城などが、今も中世の面影を残しています。また郊外には、息を呑むほど美しい近現代教会が点在。新旧の魅力あふれる、トゥルクおすすめの観光スポット10選をご紹介します。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


建築自体も歴史的財産、由緒あるトゥルク美術館

トゥルク美術館

トゥルク美術館の建物は、フィンランドで2番目に古い博物館建築。館内には名高い国民的画家たちの名画も多数あり、企画展では現代アートも取り上げられる

トゥルク駅から少し歩いた丘陵地にあるトゥルク美術館(Turun taidemuseo)は、ヘルシンキのアテネウム美術館に続いて、2番目に古い歴史をもつ博物館建築。国内に現存する大規模建築の数々を手がけた建築家グスタフ・ニューストロンによって、当時のヨーロッパの博物館建築の潮流に乗ったデザインがなされ、1904年に完成しました。

館内には国内の名画家たちの作品が多く収蔵されており、とりわけ有名なのが、アクセリ・ガッレン=カッレラが民族叙事詩「カレヴァラ」のいち場面をテーマに描いた『サンポの争奪戦(Sammon puolustus)』の原画。こうした歴史的名画だけでなく、企画展では現代作品も積極的に取り上げられ、幅広いアート作品に触れることのできる格式ある美術館です。

<DATA>
Turun taidemuseo(トゥルン・タイデムセオ)
住所:Aurakatu 26, 20100 Turku
TEL:+358 2 262 7100
アクセス:マーケット広場から徒歩5分、トゥルク駅から徒歩10分
開館時間:火~金曜11:00~19:00、土・日曜11:00~17:00
休館日:月曜
入場料:10ユーロ(学生6ユーロ、16歳以下無料)

異色のコラボレーション施設、歴史&現代アートミュージアム

Aboa Vetus & Ars Nova

1995年にオープンしたAboa Vetus & Ars Novaは、中世の歴史と現代アートとが一挙に見て回れるユニークなミュージアム

マーケット広場などのある中心街から川を隔てた対岸にひっそりと佇む、Aboa Vetus & Ars Novaというユニークな名前のついた施設は、中世の歴史に関する展示と現代アートギャラリーとが合体した異色のミュージアム。

内観

Aboa Vetusサイドでは、化石の復元など目で見て楽しめる展示品がいっぱい

地下エリアに伸びるAboa Vetusの側では、中世から今日に至るまでのトゥルクの歴史を紹介。文字での詳しい解説に加えて、化石や考古学資料、さまざまなジオラマが並んでいて、ビジュアルでも楽しめます。

いっぽうArs Novaのほうは、複数のギャラリーに分かれており、この美術館の創立者でもあるマッティ・コイヴリンタ氏の財団が所有するコレクションのほか、さまざまな企画展示が見られます。また、エントランスにはゆったりとくつろげるミュージアムカフェもあり。歴史とアートが一挙両得できると観光者にも評判の施設です。施設外壁のユニークなアートにも注目。

<DATA>
Aboa Vetus & Ars Nova( アボア・ウェトゥス・アンド・アルス・ノヴァ)
住所:Itäinen Rantakatu 4–6, 20700 Turku
TEL:+358 207 181 640
アクセス:マーケット広場から徒歩5分
開館時間:11:00~19:00
休館日:なし
入場料:10ユーロ(学割、年齢ごとの割引あり)

職人さんの工房を訪ね歩く、ルオスタリンマキ手工芸野外博物館

職人さん

陶芸家、靴職人、活版印刷技術師さんなど、さまざまな手工芸品のプロフェッショナルたちの工房が軒を連ねる、ちょっと変わった野外博物館。古びた木造小屋一軒一軒も味があって覗いてまわるのが楽しい

中心部からやや離れた野外劇場のある小高い丘のそばで、夏の間とクリスマスシーズンだけオープンしているルオスタリンマキ手工芸野外博物館(Luostarinmäen käsityöläismuseo)。

外観

屋根にも草木の生えた、昔ながらの建物を眺めて回るだけでも楽しい。一般住宅やサウナ小屋が再現された小屋も

この区画には昔ながらのひなびた趣きの木造小屋がたくさん建ち並んでいて、これらはすべて実際に19世紀後半からそこにあり、幸運にも街の大火災を免れた建物。

そのうち可愛らしい看板の立つ建物のなかを覗いてみると、靴、陶芸、ブリキ看板、洋裁など、さまざまなジャンルの伝統工芸の職人さんたちが、当時の衣服に身を包み、黙々と制作に打ち込む姿を見学することができます。見学者がやって来ると、丁寧に過程の解説をしてくれる職人さんがいたり、作品が購入できるお店もあります。一昔前の街や住まいの雰囲気を感じ取りながら、伝統工芸の世界に魅せられる……まさにつかの間のタイムスリップを楽しめる野外博物館です。

<DATA>
Luostarinmäen käsityöläismuseo( ルオスタリンマエン・カシトュウョライスムセオ)
住所:Vartiovuorenkatu 2, 20700 Turku
TEL:+358 2 262 0350
アクセス:マーケット広場から徒歩15分、市バス18番「Luostarinmäki」下車徒歩約5分
開館時間:毎年、夏季とクリスマスシーズンのみオープン。5月~9月半ばは火~日曜10:00~18:00、11月末~1月頭は10:00~16:00
(開館スケジュールの詳細はウェブサイトでご確認ください)
休館日:月曜
入場料:6ユーロ(学生4ユーロ)

最終ページでは、郊外にある2つの美しいモダン教会建築と、トゥルク市外からの訪問客も絶えない有名日本料理レストランをご紹介!

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