フィンランド/ヘルシンキの観光・お土産

文化&アート施設の宝庫、マンネルヘイム通り(3ページ目)

マンネルヘイム通り(Mannerheimintie)は、国会議事堂や国内随一の百貨店などが建ち並ぶ、ヘルシンキ中心街の目抜き通りのひとつ。実はその通り沿いには、フィンランドの芸術・学術文化を支える由緒ある博物館や美術館・音楽ホール・かつてのオリンピック会場などが密集しているのです!トーロ湾沿いの緑地公園帯にも接していて散策が楽しい大通りを歩きながら、フィンランド屈指のアート・文化施設巡りに繰り出してみませんか?

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


ヘラジカの巨大像が出迎えてくれる自然史博物館

自然史博物館

もともとはロシア人のギムナジウムだった建物を自然史博物館として利用し始めた

マンネルヘイム通りから国会議事堂前の通り(Pohjoinen Rautatiekatu)に逸れて少し歩いたところにある重厚な建物が、自然史博物館。

ヘラジカ像

正面入口横では、フィンランドの森に住む巨大なヘラジカの像がお出迎え

ここはヘルシンキ大学が保有する自然科学博物館のひとつで、1990年代までは大学の生物科学科のラボもこの建物の中にありました。建築自体は、もともとヘルシンキに住むロシア人学生たちのギムナジウム(中等教育機関)として1870年代に建てられたもので、19世紀後半にヨーロッパ各地ではやった、荘厳なバロック建築への回顧主義の特徴が見られます。

館内では、フィンランドやバルト海周辺に生息する、あるいはかつて生息していた動植物に関する、趣向を凝らしたさまざまな展示や化石などが並んでいます。特に子供たちが親しみやすいハンズオン展示が多いので、家族で楽しめる博物館として人気です。

<DATA>
Luonnontieteellinen Museo(ルオンノンティエテーッリネン・ムセオ)
住所:Pohjoinen Rautatiekatu 13, 00100 Helsinki
TEL:+358 9 1912 8855
アクセス:ヘルシンキ中央駅より徒歩10分
開館時間:火~金曜9:00~16:00(木曜~18:00)、土曜・日曜10:00~16:00
※6~8月は全日10:00~17:00
休館日:月曜日
入場料:10ユーロ(学生5ユーロ) ※毎週木曜の最後2時間は入場無料

2011年にオープン、こだわりぬかれた音響の新・音楽センター

音楽センター

中央駅側から音楽センターへと続くのびやかなアプローチが、音楽鑑賞への期待も高めてくれる。大ホールの音響設計には、日本の永田音響設計が全面協力した

ふたたびマンネルヘイム通りを北上。キアズマの先に見えてくる緑壁のモダンな建築が、2011年秋にオープンしたヘルシンキのハイレヴェルな音楽文化の新たな中心拠点、ヘルシンキ音楽センター(Musiikki Talo)です。

ヘルシンキ中心部には「フィンランディア・ホール」という大規模なコンサートホールがあるにも関わらず、この新しいホールがあえてそのすぐ南に建てられた経緯は、いささか複雑。フィンランディア・ホールは国民的建築家アルヴァ・アールトの設計で知名度こそ高いものの、街の音楽家や耳の超えた聴衆たちが、長らくその音響に不満を感じていたのです。

ヘルシンキの高い音楽レヴェルを支えていくために建設が決まった新ホールは、もちろん音響最重視。かつて東京のサントリーホールなどの音響設計を手がけ世界に名を馳せる、永田音響設計がそのプロジェクトに全面協力し、奏者・聴衆双方が絶賛する申し分ない音響のホールが完成したのでした。今日ではヘルシンキの2大オーケストラであるヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団(HPO)とフィンランド放送交響楽団(RSO)が拠点として定期公演を行なうほか、世界各国の一流アーティストや楽団の公演にも利用されます。

アクセス:ヘルシンキ中央駅より徒歩約7分
※ヘルシンキ音楽センターの公式サイト・公演案内はこちら

湾岸に映える白亜の音楽ホール、フィンランディア・ホール

フィンランディアホール

アルヴァ・アールトが晩年に設計を手がけたことで世界的に知られるフィンランディア・ホール。開放的なロビーからの水辺の眺めも美しい

トーロ湾岸にたたずむフィンランディア・ホール(Finlandia-talo)は、1970年代前半に晩年のアルヴァ・アールトが設計デザインを手がけたことで知られる近代建築。1700人収容の大きな音楽ホールをはじめいくつかのホールや会議室などを併せ持った巨大施設です。

フィンランディアホール2

トーロ湾のほうから眺めると、複雑でアシンメトリーな外観に正面口からとはまた違った印象を受ける

イベントなどと重なっていなければ、外観だけでなく是非内部の美しさも見学してみたいところ。とりわけ開放的なロビーからはトーロ湾の景色も一望でき、アールト自身がデザインした家具やランプが贅沢に配置されています。

上述したように、メインホールの役目は今やそのすぐ南に建設された新しい音楽ホールに取って代わられつつあるのは確か。けれどもちろん現在でも国内外のさまざまなアーティストたちの公演が開催されるほか、大規模な会議やイベントなどにも利用されています。

アクセス:ヘルシンキ中央駅より徒歩約15分、トラム4,7,10「Kansallismuseo」下車すぐ
※フィンランディア・ホールの公式サイト・公演案内はこちら
※不定期に開催される施設内のガイドツアー最新情報はこちら

最終ページ
では、国立博物館と、オペラ劇場、終着点のオリンピックスタジアムをご紹介!
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