マンション購入術/マンション購入の失敗・トラブル

売主が知らなかった欠陥は賠償請求できる?(2ページ目)

耐震構造計算書偽造問題が発覚してから、新聞やテレビなどで「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」という言葉を頻繁に見かけるようになりました。

執筆者:北澤 香織

過失がなくても、損害賠償を請求できる場合もある!

民法で定められた「瑕疵担保責任」があなたを救うかもしれない!
具体的に、どういう場合に請求できるか、というと、民法上の「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」が認められる場合、ということになります。この「瑕疵担保責任」という言葉、ディベロッパーの社長が「瑕疵担保責任を全うする」と発言するなど、耐震構造計算書偽造問題が発覚してから、新聞やテレビなどで見聞きされた方も多いのではないでしょうか?

瑕疵担保責任とは、民法第570条に定められているもので、その内容は、「売買契約の目的物に『隠れた瑕疵』があったときには、

1)買主は売主に損害賠償請求ができること
2)瑕疵があるために契約の目的を達することができない場合には売買契約を解除すること

というもの。ここで「隠れた瑕疵」というのは、実際には瑕疵が存在したのに、そのことに売主も気づいていなかった! そういう場合の欠陥のことを意味します。

たとえば、売主が住んでいるときに雨漏りは発生しなかったけれど、実際には、天井裏では雨漏りが発生していたことに売主が気づいていなかっただけだった、という場合。こういうとき、売主には何ら故意も過失もないのですが、瑕疵担保責任の規定は、そのような売主に対しても、買主からの損害賠償を認めた、言ってみれば「無過失責任」を特別に負わせたものなのです。

とても厳しい責任だと思いませんか?逆に自分が売主だとした場合、買主さんから10年後にこのような責任を追及されたらどうでしょう?

次ページは、「売主はいつまで責任追及される?」
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