名建築の魅力と留意点
おもに住戸内は、ルーフテラスを起点にリビングを広げている。P・P分離も考慮した玄関からの動線上には、大開口の窓を設け、視界を楽しませる工夫があるプランも。玄関扉は内開きである。柱梁はほぼ出ていないといえる。天井は2,400mm前後(一部除く)と決して高くはないが、(空調の吹き出し口を含め)まっ平らであるため、ストレスには感じなかった。素晴らしいビューがはるかに勝るからである。面白いのは、収納内側や水回りの内装(一部)などを竣工時の状態のまま残していることだ。トイレは便器以外、ほぼそのまま。右の画像にある小さな扉は、替えのトイレットペーパーを入れておく収納棚である。カウンターの天板は無垢材をくりぬいて使っていた。万事このように、ディテール面において現代にないこだわりが多数見てとれる。上のリビング画像にも触れておこう。アール状のガラスは、(ソファに隠れているが)床からそのまま立ちあがっている。プライバシー重視のベッドルームでは、一転開口部は控えめ。壁の面積を多く、上げ下げ窓や大きな片開きの窓をはめ込み、空間の心地よさを図っている。目的に応じて、メリハリの効いた住まいだ。
留意点もいくつか触れておこう。20年以上経た物件では、同じように確認する必要のあるのが設備類。配水管の更新、(高級マンションならではの)空調設備と給湯器の状態の確認。躯体の修繕履歴もチェックがいるだろう。エレベーターは2基。戸数が少ないため、管理費などのランニングコストや駐車場の稼働率も気になるところか。今回は、リノベーション実績の豊富なリビタ(取材協力)が売主。情報開示は滞りなく、受けられる。
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