上田怜チーフ(パン焼き小屋ツオップ)による実演
上田怜さん
パンオノアとシュトルーデルン
All Aboutベストパン殿堂入りの名店、松戸のパン焼き小屋ツオップのチーフ、上田怜さんは小麦粉のサワー種、ホワイトサワーの白いパンを4種類。粗挽きソーセージにパン生地を巻き付けた「シュトルーデン」、くるみを練り込んだ「パン オ ノア」、スモークチーズを巻き込んだ「ロイヒャー」、そして「ブルーベリーマロン」です。
スモークチーズ入りのロイヒャー
ブルーベリーマロン
種は、パンの風味の奥行きを出す調味料としても使えます。「種と生地を別物のように考えないで、種はもう一回捏ねなくてはならないもの、生地はそのまま焼いていいもの、くらいに考えたら幅が広がります」とオーナーシェフの伊原さんは補足されていました。
昼食とお菓子
昼食の料理とパン、そしてデザートはジェラール・ミュロ等、さまざまな店のシェフを務めてきた山崎さんとツオップの伊原さんが担当しました。
カイザーセンメル
ベルツェルブロート
伊原さんはツオップ二階のカフェ、ルーエプラッツ・ツオップで人気の家庭的な温かさを持つメニューから、鶏肉のマスタードソース、ニンジンのグラッセ、カリフラワーのピクルス、サラダ、マッシュルームバター、レンズ豆のスープ。そして「根っこのパン」とも呼ばれるねじった形の「ベルツェルブロート」を提供しました。
昼食一皿めはサラダ
メインは鶏のクリーム煮
山崎さんは受講者へのウエルカム菓子として、卵白で作ったサブレ・ヴァニーユを紹介、昼食用にはさっくりとした食感のカイザーセンメル、希少なそば粉で作ったパン、そしてチーズケーキを。シンプルでオーソドックスなパンとお菓子ですが、普段からさまざまな食材の探究を積み重ね、現場で実践しているシェフならではの味わいでした。
卵白だけでつくられるクッキー
チーズケーキ
2011年の夏以来、復興支援の寄付金を集める活動がきっかけとなって、本来のチャリティーの目的以外にもいい現象がたくさん起こっています。今やどの製法、どの素材でなければならない、ということはなく、それぞれのやり方、さまざまなスタイルを認め合い、尊重し合うさまざまな作り手たちが参加することで、おいしいパンを中心とした助け合いの輪が震災の復興だけでなく、作り手たちの間にも温かいつながりを生んでいるのです。そしてわたしたちは、そこから生まれるパンをまた日々の糧としていくことができるのです。
山崎シェフらによる次回のチャリティー製パン講習会は10年計画で、次回は秋に予定されています。
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※上記データは記事公開時点のものです。