↑ T形の背骨、縦材は16mm、横材は11mm径のスチールパイプ、クッション・マウントは径45mm、厚さ10mmのゴム製
このプラパートは、背板や座面を脚・背骨フレームとの間に取り付けているクッション・マンウントと同じく、モノとモノとの接合接点にこだわったEames Designの特徴的ディテールなのである。
このシリーズ以前の椅子は権威や権力、地位の象徴として、職人の巧や業、工芸品として、また建築の一部や装飾品・・・・・どちらかと言えば、一般庶民には遠い存在であった。
椅子が単体のモノとして開発、デザイン、生産され、人が購入して使用する・・・今では当たり前のことであるが、このDCM&LCMは椅子が独り歩きを始めた、いや椅子デザインの本来の姿を表した記念的存在の椅子なのである。
それは、我々椅子デザインに携わっている者にとっても、大きな存在の椅子でもある。
↑お馴染みの逆さ図・・・世に言う名作椅子はどこから見ても、そのデザインポリシーが通っていて美しい!
しかし、それまでの価値観や存在から解き放され、道具としてデザインし、市民権をえた記念すべき椅子が、近代最大規模の戦争、第二次世界大戦から生まれたとは・・・・・・・皮肉な物語でもある。
■UP#014
LCM/Lounge Chair Metal Legs
・1946製作/米国
・SIze :W 559 D 616 H 674/SH 394
・Material:Plywood ・カラー:Light ash , Black , Walnut ,Natural Cherry
・Designer:Charles & Ray Eames/チャールズ&レイ・イームズ
・Product :Herman Miller,USA
・Shop :hhstyle.com
・Price :¥80.000-
●椅子やファニチャーデザインのコラムを!・・・『ファニチャーメルマガ』をお楽しみ下さい。
★ガイドのエピソードが満載のインタビューはこちらから!
●一家一脚・椅子物語バックナンバー
■#023/今世紀初頭を投影する危うい椅子
■#022/「和」のデザイン、格子の椅子
■#021/ステイタスシンボルとしての椅子
■#020/皮膚のように封印した椅子
■#019/ポップアート化した最初のソファ
■#018/浮遊感漂う氷解のソファ
■#017/『建築家』を決意した椅子
■#016/段ボールの塊が変身した椅子(下)
■#016/段ボールの塊が変身した椅子(上)
■#015/椅子取材裏話『グッと寄って!』
■#014/殻をやぶったピュアーな椅子(下)
■#014/殻をやぶったピュアーな椅子(上)
■#013/中国を想い慕って創造した椅子
■#012/続・戦争から生まれた椅子(下)
■#012/続・戦争から生まれた椅子(上)
■#011/スチールと格闘した先駆者の椅子
■#010/学生が一脚ずつ所持した椅子
■#009/ゆ~らゆら、心も揺れるスツール
■#008/戦争から生まれた椅子(下)
■#008/戦争から生まれた椅子(上)
■#007/日本を愛したフランス人の椅子
■#006/建築のアクセサリーとしての椅子
■#005/独身者?のための椅子(下)
■#005/独身者?のための椅子(上)
■#004/陰影が美しい「生きる」椅子(下)
■#004/陰影が美しい「生きる」椅子(上)
■#003/一筆書きの温もりのある椅子(下)
■#003/一筆書きの温もりのある椅子(上)
■#002/どぉ~ンとあぐらがかける椅子
■#001/ケネディを大統領にした椅子(下)
■#001/ケネディを大統領にした椅子(上)
☆全ての内容について、一切の転載・改変を禁じます。
(C)Jun.2003 Copy by イシカワデザイン事務所 & Photo by 渡邊和俊