重要改正が多数、近年で最大規模の改正
平成25年1月24日に、自民党・公明党から平成25年度税制改正大綱が発表され、1月29日に閣議決定されました。今回は、この平成25年度税制改正大綱の中から、中小企業や個人事業主に関係する項目を中心に、ご紹介したいと思います。なお、今回の内容は国会を通過するまでは決定事項ではありませんので、ご了承下さい。今回の税制改正は、ここ数年の中でも特に大きな改正項目が多く含まれる内容となりそうです。中小企業・個人事業主に限って言えば、減税項目目白押しの改正です。大きくは、設備投資関係、雇用関係及びその他に分かれます。
2つの設備投資減税を新設
まずは設備投資関係ですが、新たに2つの優遇措置が設けられます。1つは、「生産等設備投資促進税制」です。国内設備投資を増加させた法人及び個人が以下の1及び2の要件を満たした場合、新たに国内において取得等をした機械・装置について、30%の特別償却又は3%の税額控除(法人税額の20%を限度)が認められます(所得税についても同様)。
- 国内における生産等設備への年間総投資額が適用事業年度の減価償却費を超えていること
- 国内における生産等設備への年間総投資額が前事業年度と比較して10%超増加していること
生産等設備とは、その法人の事業の用に直接供される減価償却資産(無形固定資産及び生物を除く。)で構成されているものをいい、本店、寄宿舎等の建物、事務用器具備品、乗用自動車、福利厚生施設等は該当しないとされています。
この制度は、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度(設立事業年度を除く)において、適用される予定です。これまでの設備投資税制と違い、取得価額の最低要件がないところに注目です。
もう1つは、「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」です。消費税率の二段階の引上げに備え、商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業等の活性化に資する設備投資を促進し、これらの産業の活性化を図るために新設する、とされています。
具体的には、商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業等が建物附属設備(1台60万円以上)又は器具・備品(1台30万円以上)を取得した場合に、取得価格の30%の特別償却又は7%の税額控除(法人税額の20%を限度)が認められます。税額控除における控除限度超過額は1年間の繰越しができます(所得税についても同様)。
ただし、対象となるのは商工会議所、認定経営革新等支援機関等による法人の経営改善及びこれに必要な設備投資等に係る指導及び助言を受けた中小企業等とされています(弊社マネーコンシェルジュ税理士法人でも対応可能です)。また、税額控除の対象法人は、資本金の額等が3,000万円以下の中小企業等に限られます。適用期間は、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの2年間とされています。