響きが可愛くて覚えやすい、フィンランド語の挨拶表現
「ありがとう」を意味するkiitos(キートス)は、おそらく誰しも滞在中に、一番口にするフィンランド語となるだろう
相手との複雑な問答(リスニング)を心配せずに使えてすぐ心が通じるのは、やはり挨拶表現と、商品や料理や相手の所持品を褒めたり、お天気などについて共感を得るための、基本的な形容詞や言い回し。フィンランド人は、自分たちの希少言語を外国人が話しているのを聞くと、たとえ挨拶程度の単語であってもものすごく喜んで、友好的に接してくださいますよ!
まずは、滞在中にどんどん使ってコミュニケーションのきっかけにしたい挨拶表現から。響きがなんとなく可愛いので、使い始めればすぐに口が覚えてしまうでしょう。
Moi(モイ):やあ、どうも、こんにちは。
お店の人/現地で出会う人と、観光客との間柄なら、時間帯に関係なく出会い頭の挨拶はこれひとつ覚えればOK!モイを交わせば、和やかなコミュニケーションがそこから始まります。ちなみに、日本語で「~だよね」「~だろ」「~やねん」と人のキャラクターによっていろんな語尾変化があるように、フィンランド語のモイ一つとっても、語尾を変化させたバリエーションがいくつか存在します。相手がMoikka(モイッカ)、Moro(モロ)などと聞きなれない返しをしてきても、ちゃんと意思が通ったと理解して大丈夫。
モイと同様に、時間帯を来にせず出会い頭の挨拶としてよく使われる言葉にTerve(テルヴェ)とHei(ヘイ)があります。ヘイは、いわゆるモイの丁寧語。ビジネス会話なら、上司や取引先の相手に対してヘイを使うのが普通です。
Moi moi(モイ・モイ):じゃあね、またね。
モイを2つ重ねると、別れ際の挨拶表現として使われやすくなります。まあ、人によっては出会い頭からモイモイ!と声をかけてくるし、別れ際もモイ1つだけだったりするのですが。会計を終えてお店やレストランを立ち去るときには、バイバイの代わりにモイモイと言って手を振りましょう。ちなみに、Hei hei(ヘイ・ヘイ)も同様の効果を発揮する言葉。
市場でのやりとりのなかだけで、モイもキートスもモイモイもすべて使える
フィンランドに限らず、旅行先の現地語で唯一何か覚えていくとしたら、「ありがとう」こそが思いを伝えるのに一番大事な言葉。お店やホテルのサービスに対してだけでなく、道を教えてもらったとき、荷物運びを手伝ってもらったとき。場所を譲ってもらったときのように、日本語ではつい「すみません」と言ってしまうシチュエーションでも、フィンランドではすべてキートスで感謝の意を伝えます。
さらにキートスには、これから起こることに対しての「お願いします」の意味もあるので、例えばカフェで「◯◯ください」と言いたいときには、「◯◯, kiitos」で意思が伝わります。
使うために覚える必要はありませんが、モイ同様にキートスのバリエーションも豊富で、Kiitti(キーッティ)、Kiitoksia(キートクシア)、Kiitos paljon(キートス・パルヨン)などもすべて「ありがとう」の意思表示。現地人はこれらもよく使ってきます。特に後の2つは、「どうもありがとう」と、より深い感謝の念を表したいときに使います。
ちなみに「どういたしまして」はOle hyvä(オレ・フュヴァ)。
Anteeksi(アンテークシ):すみません、ごめんなさい。
この言葉は、先ほど述べたように、日本人ほどさまざまなシチュエーションで使うと返って違和感のある言葉。遅刻など、純粋に何か過ちをおかしたとき以外は、むしろキートスで代用できるシーンが結構あるはずです。
アンテークシはむしろ、誰かを呼び止めるときに効力のある言葉。現地語で「すみません」と声をかけられたら、誰しも気をとめて、すぐに相手になってくれることでしょう。通行人に道を尋ねたいときなど、まずはアンテークシでコミュニケーションを開始!
Onnea(オンネア):おめでとう!
もし教会の見学時に花嫁さんを見かけたり、誰かのおめでたい場面に立ち会えたときには、まったくの他人であってもすかさずオンネア!と祝福してあげましょう。これも、旅先での使用頻度は少なくても、言葉を知らなければ伝えることのできない気持ちです。
レストランやバーでキッピスを唱えると、気分も盛り上がる
フィンランド語には、日本語の「いただきます」に相当する挨拶が特に見当たらない代わりに、食前にはグラスを交わしてキッピスと一声。楽しい食事会やパーティ開始の掛け声です。
いざというときYes or Noの意思表示は大切
Kyllä/Joo(クュッラ/ヨー):はいEi(エイ):いいえ
「はい」か「いいえ」の意思表示が明確にできるかどうかは、特に曖昧さを良しとしない西洋文化の中では大事なこと。相手の質問が理解できないうちに雰囲気で答えてしまうのは良くないですが、少なくとも街なかでよく耳にはするはずなので、覚えておいて損はないでしょう。
なお会話の中では、Yesはヨーのほうがよく使われます。また、うんうんと相槌を打つときにも、ヨー、ヨーという人が多いです。
※最終ページでは、一歩進んだコミュニケーションができる感情表現の言葉をご紹介!