フィンランドの秋の気候
フィンランドの秋はとっても駆け足。華やかな紅葉シーズンも10月前半には終焉し、まもなく中南部にも雪が降り始める
8月後半には秋の気配が感じられるようになり、9月から10月にかけては各地でruska(ルスカ)と呼ばれる見事な紅葉シーズンを迎えます。森ではさまざまな食用キノコが採れる季節でもあります。11月には雪がちらつく日も増えますが、まだ地面にしっかり降り積もるといったほどではありません。
建物に遮られない空いっぱいにかかる虹は圧巻
秋のフィンランドはとても雨が多く、曇りがちな日が続きます。また、気温も日照時間も、日に日にわかりやすく落ち込んでくるので、やや人々の気分も滅入りがちな季節。それでも、晴れた日の秋の夕暮れは息を飲むほど美しいですし、雨が多く太陽の高度が低いという気象条件から、虹が頻繁に見られるのにもご注目ください。
ヘルシンキ(フィンランド南部)およびソダンキュラ(ラップランド)のここ数年の9月の月間平均気温は、プラス10~13度/プラス6~8度前後。同じく10月の平均気温は、それぞれプラス6~8度/マイナス1~プラス2度くらいで、朝夕が氷点下となる日も増え始めます。11月になるとプラス1~4度/マイナス7~3度前後と、すっかり冬到来です。
フィンランドの秋の服装チェック
9月の終わりには、待ち行く人の装いもコートにマフラーとすでに冬を意識し始めている
気温の低下に伴って、人々の装いが劇的に変化するのは9月のあいだ。9月半ばにはすでに、日本の都心の冬でも活躍しそうなウールコートを身にまとい始め、マフラーやニット帽、手袋でさらに防寒対策に励む人が増えてきます。10月・11月には、日によってはヘルシンキでもすでに都心の真冬くらいの寒さを感じるはずなので、頼れるコート・ジャケットに加えて、露出部をできるだけ減らして保温できるよう小物で調節したいところ。ただし春の項目でも書いたように、室内はほぼ例外なく暖かいものなので、簡単に脱ぎ着できない内側に、分厚いものや保温性重視のものを何枚も着こむのはあまりおすすめしません。「脱ぎ着重視の重ね着」によるコントロールを、常に心がけていてくださいね。
街で良く見かけるノキア社のロングセラー長靴、HAI(ハイ)シリーズは、豊富なカラーバリエーションも魅力
また、雨が多いゆえに、水たまりや地面に降り積もった濡れ落ち葉のせいで路上はとても滑りやすくなっているのが困りモノ。何より靴選びには慎重になりたいものです。そんなシーズンに大活躍するのが、シティ用のラバーブーツ(ゴム長靴)。若者たちにとっても、滑りにくい靴底のゴム長靴は立派なファッションアイテム。さまざまな色やデザインのものが、この時期にたくさん出回ります。フィンランド発の携帯端末会社Nokia(ノキア)社は、実はもともとゴム製品の製造会社だったという経緯があるので、今でも販売が続けられているノキア印のおしゃれなゴム長靴はとりわけ大人気。自分用のおみやげとして購入がてら、さっそく街で履いて楽しむのもよいのでは!
参考記事「
フィンランド人が愛用するノキア社の長靴」
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最終ページでは、フィンランドの冬の気候と服装、とりわけ防寒対策について徹底解説!