ワイドスパンの価格は割高?
売り手は住戸の値付けをするときに、まず平均坪単価を設定し、平均坪単価×販売戸数の総坪面積=「総売り上げ額」を割り出します。その後住戸ごとに鉛筆をなめながら売れやすい価格を設定していきます。この売れやすい価格というのがミソで、狭い住戸も広い住戸も同じ単価で販売価格を設定すると、どうしても広い住戸が高額になってしまい、売れ行きが懸念されます。そこで平均単価、総売り上げは変更しないことを前提に、狭い住戸の単価を上げ、広い住戸を下げるという調整をするのです。狭い住戸の単価を少々あげても価格が大幅に高くなるわけではないので、売れ行きにはあまりひびかないというわけです。半面、多少単価はおさえても販売価格が高くなり売れ行きが心配な広めの住戸には、何かしらのセールスポイントを付け加える工夫が求められます。ワイドスパンはその有力なセールスポイントのひとつになり得るのです。
選択肢が少なくて、しかも割高な価格設定のワイドスパン。毎日気分よく暮らせること、その毎日が10年、20年続いていくことを考えると、根気強く探すことをお勧めします。